英仏下院選 左右で明暗

英国、フランス両国で下院選が実施され、英国では与党・保守党が大敗し、左派・労働党のスターマー政権がスタートする。フランスでは、マクロン大統領の与党・中道連合が第3勢力に後退する大逆転が起きた。右派・国民連合(RN)が大躍進し、7日の第2回投票で第1党となることが確実視されている。海峡を挟んだ両国で左右勢力の明暗が分かれた。

労働党が地滑り的大勝ーイギリス
スターマー氏 首相就任

ロンドンで勝利宣言する英労働党のスターマー党首(2024年7月5日 AFP時事)
ロンドンで勝利宣言する英労働党のスターマー党首(2024年7月5日 AFP時事)

【パリ安倍雅信】英下院(定数650議席)総選挙の投票が4日、実施され、即日開票の結果、最大野党・労働党が過半数を獲得する地滑り的大勝利を果たした。与党・保守党から14年ぶりの政権交代となり、5日にスターマー党首が首相に就任した。一方、保守党は、閣僚、元首相が落選するなど、歴史的大敗を喫したものの、最大野党にはとどまる。

5日午後8時(現地時間正午)時点で労働党は412議席(209増)を獲得。保守党は244減の121議席だった。

英総選挙の獲得犠牲

両党以外では、中道左派の自由民主党が71議席(60議席増)、スコットランド民族党(SNP)が9議席(38議席減)、シンフェイン党が7議席(増減なし)、英国の欧州連合(EU)離脱を主導したファラージュ党首率いる新党のリフォームUKは4議席、緑の党は4議席(3議席増)、ウェールズ党(プライド・カムリ)は4議席(2議席増)などだが、最終結果は確定していない。

スターマー氏は「いまから変革が始まる」と勝利宣言した。英メディアは、スターマー氏は、地味だが着実に労働党の改革に取り組んできたと評価した。

前回2019年12月の下院選挙では、EU離脱を目指すジョンソン首相率いる保守党が、1987年以来の47議席増の大差で365議席を獲得、労働党は戦後最悪の大敗を喫していた。スターマー氏は今回の勝利宣言で「私たちはやり遂げた」「労働党は変わった。国のために奉仕する準備ができている。わが国を働く人たちのために仕える国に戻す」と語った。

保守党は、トラス元首相が落選。将来の党首候補と目されていた保守党のモーダント下院院内総務、シャップス国防相ら11人の閣僚が議席を失った。

あす第2回投票ーフランス
右派・国民連合 最多議席か

パリで、支持者らに囲まれるフランスの極右野党・国民連合(RN)のルペン前党首(中央)=ルペン氏のX(旧ツイッター)より(2024年7月1日 EPA時事)
パリで、支持者らに囲まれるフランスの極右野党・国民連合(RN)のルペン前党首(中央)=ルペン氏のX(旧ツイッター)より(2024年7月1日 EPA時事)

【パリ安倍雅信】フランス国民議会(下院、577議席)選挙の第2回投票が7日、実施される。6月30日の第1回投票では、右派・国民連合(RN)が29・26%で首位に立ち、左派連合「新人民戦線(NFP)」が28・06%で2位、マクロン大統領の与党・中道連合が20・04%で3位につけた。RNは最多議席を獲得する可能性が高まったものの、単独過半数の289議席を得るのは困難との見方が強まっている。

だとしてもRNが、第1党となれば、28歳のバルデラ党首が首相に選ばれる可能性が高い。その場合、マクロン大統領とは政治信条が異なる政党が議会の主導権を握ることになる。国内政治のみならず、欧州連合(EU)を含む外交政策にも影響を与えることになる。

2位と3位のNFPと与党連合はRN阻止のため、各選挙区で候補者を絞り込み、一本化して第2回投票に臨む。複数メディアは、たとえRNが善戦しても第1党にとどまっても単独過半数を得るには至らず、NFPと与党連合が連立を組み、与党を形成する可能性も消えていないとされる。その場合、首相選出は難航が予想される。

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