仏総選挙 第1回投票で右派躍進 マクロン勢力敗北濃厚

【パリ安倍雅信】フランス国民議会(下院)は6月30日に第1回投票を実施し、複数の世論調査会社の推定結果で、極右・国民連合(RN)が得票率34%前後、左派連合の新人民戦線(NFP)が28%前後、マクロン大統領支持派のアンサンブルは21%となり、与党のマクロン中道政党の敗北は濃厚となった。

前回2022年の下院選挙から2年での解散総選挙は、欧州連合(EU)の議会選での極右の躍進も追い風となり、RNを議会第1党に押し上げる勢いだ。RNが議会で単独過半数を占めるかは不明だが、前々回の17年の下院選で単独過半数を圧倒的に超える350議席を得たマクロン派中道・共和国前進は、前回の選挙で170議席に減らし、今回は100議席を割る可能性もある。

選挙前の世論調査で、有権者が優先したい政策順位は、1位が購買力向上だった。結果的に移民問題、治安問題を掲げるRNが有権者に応えたとは言い難い。マクロン氏にとって想定外の台風の目となったのは、解散総選挙決定の翌日に結成された左派連合のNFPで、予想以上に今回票を伸ばした。

マクロン陣営の最大の弱点は、フランス人が嫌う強権政治を繰り返してきたことだ。労働法改正、国鉄改革、年金改革など、過去に労組などの抵抗で実現しなかった法案を、議会審議を省略して法案を成立させる憲法49条3項を多発し、議会制民主主義のルールを無視した強権政治は、左右両党支持者の反感を買った。

第1回投票で過半数票を取れなかった候補者は第2回投票に進む仕組みなので、7日の決選の結果が出るまで議会の議席配分は決まらない。マクロン氏は政治信条の異なるNFPにRN阻止の投票を呼び掛け、RN台頭に危機感を抱く左派は、30日にはパリなどで動員をかけ、抗議集会を行った。左派は、RNの前身、反共の闘志だった極右・国民戦線(FN)を嫌っており、NFPは第2回投票で過半数の議席を目指す。

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