仏大統領、24年ぶり国賓訪独「欧州の2大国」結束強調

26日、ベルリンで、手を振るフランスのマクロン 大統領(左)とドイツのシュタインマイヤー大統 領(EPA時事)

【パリ安倍雅信】フランスのマクロン大統領は26日、ドイツを公式訪問した。仏大統領が国賓待遇で訪独するのは、2000年のシラク大統領以来24年ぶりとなった。マクロン氏は「われわれの内側に外側同様多くの敵がいることはかつてない」と述べ、両国で拡大するナショナリズムに警告を発した。これに対しシュタインマイヤー独大統領は「われわれは、民主主義者の同盟が必要だという信号を送っている」と答え、両国首脳は極右勢力の台頭に警戒感を示した。

これまでウクライナ紛争で派兵に言及するマクロン氏に対し、ドイツが強く反対するなど両国関係は良好とは言えなかった。だが、今回の公式訪問は来月の欧州議会選を控え、欧州連合(EU)を牽引(けんいん)する二つの大国の良好な関係をアピールした格好となった。

両国は、ネオナチを含む極右勢力の台頭に悩まされ、マクロン氏は右派・国民連合(RN)が、欧州議会選で最も多くの議席を確保する可能性が高く、政権運営に影響を与えそうだ。一方、ドイツもポピュリズム政党の「ドイツのための選択肢(AfD)」が勢力を伸ばしており、両国は共通の課題があるものの、今回の融和表明がEUの結束に役立つかは疑問視されている。

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