国際刑事裁判所(ICC) イスラエル首相逮捕状請求

ハマス指導者も戦争犯罪疑い

ICCのカーン主任検察官(AFP時事)
ICCのカーン主任検察官(AFP時事)

【パリ安倍雅信】国際刑事裁判所(ICC)の主任検察官が20日、イスラエルのネタニヤフ首相とハマス幹部に対して逮捕状請求を行った。パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡り、戦争犯罪と人道に対する罪の疑いが罪状で、米国とイスラエル当局は激しく反発している。

昨年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃と、続くイスラエル軍による大規模なガザ報復攻撃に関連して、イスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相、イスラム組織ハマス幹部3人に逮捕状が請求された。

イスラエル外務省は「永遠に記憶される歴史的恥辱」と非難し、ハマス側は「被害者と死刑執行人」を同一視するものと拒否の姿勢を示した。

ハマスによる攻撃で約1200人が殺害され、イスラエル軍によるガザへの空爆と地上軍の投入で、少なくとも3万5000人が死亡した。ICCのカリム・カーン主任検察官は20日、戦争犯罪や人道に対する罪に関与したと「信じるに足る合理的根拠」があると述べた。

特にイスラエルに対してカーン氏は「ガザの完全包囲」と、支援物資、水、電気を意図的に遮断したと主張、「戦争の手段として意図的に民間人を飢えさせている」と非難した。

バイデン米大統領は20日、逮捕状請求は「言語道断」だと非難、「(ICC)検察官が何を言おうと、イスラエルとハマスの間には同等性など全くない」「米国はイスラエルの安全保障について常にイスラエルを支持する」と述べた。

カーン氏は「被告が誰であれ、われわれは分け隔てしない。公平な裁きを下すだけ」と正当性を主張した。

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