【ウィーン小川敏】ロシアがウクライナに打ち込んだ北朝鮮の弾道ミサイルの残骸に、米国と欧州に拠点を置く企業の部品が含まれていたことが、英調査機関「紛争兵器研究所(CAR)」の報告書から明らかになった。
紛争地域への兵器など軍需物資の輸送を追跡するCARが20日までに発表した報告書によると、北朝鮮製のミサイルには同国製ではない290個以上の電子部品が含まれていた。そのうち75%は米国、16%は欧州の企業のものという。
西側情報機関によると、北朝鮮はウクライナへの攻撃に使用されたミサイルとロケットランチャーをロシアに提供している。CARの報告書は「厳しい制裁にもかかわらず、北朝鮮は武器製造用の部品を西側から入手し、それらの部品を使って製造した兵器がロシアによってウクライナ侵攻で使用されている」と指摘している。