厳しい環境規制に農業従事者ら抗議-EU

【パリ安倍雅信】フランスなど欧州連合(EU)加盟国で農業従事者による抗議デモが広がる。厳しい環境規制のために肥料などのコスト高やEU内の公正さを欠く農産物の取引で農民はトラクターを動員し、スーパーへの供給ルートである長距離移動の道路封鎖などを行い、EUに規制緩和や政府の支援を求めている。

EUは2019年以降、50年の温室効果ガス排出ゼロを目標に掲げ、世界の地球温暖化対策の牽引(けんいん)役を自認してきた。一方、EUの掲げる「欧州グリーンディール」に農業従事者は怒りを爆発させている。2月1日、欧州理事会でフォンデアライエン欧州委員会委員長は「農民と彼らの知識とともに解決する必要がある。彼らは興味深いアイデアを持っている」と述べた。

当日、ブリュッセルの理事会開催会場周辺には1000台以上のトラクターが集結し、農業組合は「EUの定める現実味のない愚かな基準で農業をダメにしないでほしい」と抗議の声を上げた。EUの基準に盛り込まれている休耕地に関する規定や、農薬規制などに対して温暖化対策のために「農民を犠牲にする政策」と批判した。

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