右派与党が第1党維持―ポーランド総選挙 野党による連立協議も

【ウィーン小川敏】ポーランドで15日、上下両院の議会選挙の投開票が行われた。現地メディアの出口調査によると、右派与党「法と正義」(PiS)は下院で第1党を維持したが、過半数には届かなかった。野党第1党の中道リベラル政党「市民プラットフォーム」(PO)は2番手につけ、同党を中心とした野党勢力が過半数を獲得する勢いだ。8年間続いたPiS政権に代わって、親欧州連合(EU)路線のPO主導の新政権が誕生する可能性が出てきた。

議会選では、下院(セイム)の460議席、上院(セナト)100議席がそれぞれ選出される。出口調査によると、下院では与党PiSが得票率約37%でトップを走り、それを追ってPO31%、キリスト教保守政党「第3の道」と左翼同盟「レウィカ」が10%前後と健闘。極右党「コンフェデラツィア」は約6%と伸び悩んだ。

ポーランドで2007年から14年間首相を務め、欧州理事会議長(EU大統領)も歴任したPO党首ドナルド・トゥスク氏は15日夜、「野党連合による新政権の可能性が出てきた」と表明し、現政権に不満を持つ政党との連立政権発足に意欲を見せた。具体的には、POに「第3の道」と「レウィカ」の3党で下院250議席を獲得できることから、連立を組めば過半数を確保できるという。

一方、PiSのカチンスキ党首は「わが党は第1党となることは確実だが、新政権が発足できるかまだ不確かだ」と述べている。連立パートナーとしては極右政党「コンフェデラツィア」が有力候補だが、両党を合わせても下院で210議席にとどまり、過半数には届かない。他の政党はPiSとの連立を拒否している。

PiSはEU主導の移民政策に強く反対し、「法の秩序と民主主義」の逸脱でEUから制裁を受けるなど、ハンガリーのオルバン政権と同様、反EU路線を推進してきた。

spot_img
Google Translate »