【パリ安倍雅信】フランスの歴史家で1978年に著した『崩壊したソ連帝国』でソ連崩壊を予言したエレーヌ・カレール・ダンコースさんが5日、死去した。仏メディアが伝えた。マクロン仏大統領は「彼女の遺産は不滅だ」との追悼の敬意を示した。94歳だった。
専門はソ連・ロシア史で、世界的権威とされていた。ジョージアに先祖を持ち、29年にパリで生まれた。50年に仏国籍を取得し、パリ大学ソルボンヌ校などで歴史学の教授を務めた。99年に女性として初めてフランスの学術機関アカデミー・フランセーズの終身常任書記に就任。著書に『崩壊したソ連帝国』のほか『未完のロシア』などがある。
仏政府によれば、パリの廃兵院アンバリッドの中庭でマクロン氏出席の下、追悼式典が開かれる。