信教の自由侵害 日本に懸念 国連人権理事会関連の会合 スイス

1月31日、ジェネープの国連欧州本部で開催された日本の信教の自由侵害をテーマにしたカンファレンス

国連経済社会理事会で特殊諮問資格を持つ欧州の非政府組織「良心の自由のための団体と個人の連携(CAP―LC)」は1月31日、ジュネーブの国連欧州本部で、国連人権理事会のサイドイベントとして、日本における信教の自由侵害をテーマにしたカンファレンスを開いた。講演した人権活動家や専門家からは、安倍晋三元首相銃撃事件を機に日本政府やメディアが世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する憎悪を煽(あお)り、信者の人権侵害や差別が起きている状況に強い懸念が表明された。

著名な国際人権活動家であるアーロン・ローズ欧州宗教自由フォーラム代表(国際ヘルシンキ人権連合元事務総長)は、「日本政府当局が信教の自由を守るどころか、統一教会の存在自体を終わらせようとする共産党が生み出した大衆の偏見とプロパガンダに譲歩したことは非常に遺憾だ」と非難。日本政府の対応は、日本が批准する「市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)」に「違反することは明らかだ」と断じた。

国際人権団体「国境なき人権」のウィリー・フォートレー代表も、「日本政府はヘイトスピーチを扇動したわけではないが、それに同調し、宗教法人格の剥奪を模索し、信者が自民党国会議員と付き合うことを禁じるなど、『ヘイトに満ちた行動』としか言いようのないことを数多く行ってきた」と批判。教団の関連団体「世界平和女性連合」が運営するモザンビークの学校理事長に授与した外務大臣表彰を取り消したことについては、「日本政府による卑劣で狭量で悪意に満ちた行為」と酷評した。

フォートレー氏は旧統一教会信者に対する拉致監禁・強制改宗問題で独自調査を行い、報告書を発表した経歴を持つ。同氏は12年5カ月にわたって拉致監禁された後藤徹氏の事例を挙げながら、「日本の歴代政権も、メディアも、人権NGOも沈黙し動かなかった」と語り、信教の自由や人権への意識が希薄な日本の状況に強い懸念を示した。

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