【パリ安倍雅信】欧州連合(EU)加盟国と欧州議会は13日、域外で生産された輸入品に炭素排出量を考慮した炭素税を課す前例のないメカニズムを採用すると発表した。EUの産業製品輸入グリーン化政策の一環で域内の環境汚染を防ぐとともに域外他地域の汚染抑止に繋(つな)がるとしている。
EUは、炭素国境調整メカニズム(CBAM)の採用で合意し、今後、対象品目を絞り込む作業に入る。輸入者は生産プロセスに直接関連する排出量を申告する必要があり、これらが欧州基準を超える場合は、EUでのCO2の価格でCO2削減証明書を取得する。輸出国に炭素市場が存在する場合、差額のみが支払われる。
また、輸入製品の生産に使用される電力によって生成される「間接」排出を考慮に入れるとしている。輸入企業に報告だけ求めるテスト期間は2023年10月から始まる。