【パリ安倍雅信】フランスのニュース専門テレビ局、BFMTVは8日、仏通信社AFP電として、安部晋三元首相が参院選の奈良市での応援演説中に銃撃を受け、死亡したことを速報で報じた。安倍氏が戦後、最年少で首相に就任し、歴代最長の任期を務め、アベノミクスの経済政策で世界的に知られていたが、念願の改憲の道半ばで倒れたことなどを伝えた。
少子高齢化や低成長、不況の長期化という先進国共通の課題に対して、「アベノミクス」の経済政策を打ち出し、「前例のない金融緩和政策を実施することを約束した」と伝えた。また、東京五輪開催前の2020年に健康上の理由で辞任したためにコロナ禍の2021年の開会式に首相として出席できなかったことも伝えた。
同報道では、「日本国憲法改正の推進者であった安倍晋三氏は、1946年にアメリカに命じられた戦争放棄の憲法第9条の内容を改正することに成功したことはなかったが、首相の座に就いて以来、改憲は優先事項だった」と伝えた。だが、「安倍政権は日本の防衛費を増やし、2021年の防衛予算の541億㌦は、世界で5番目に大きな軍事力となった」と伝えた。
フランスのマクロン大統領は、ツイッターで「安倍晋三元総理が受けた凶悪な攻撃に大変ショックを受けている。偉大な首相の家族や愛する人たちに思いを寄せる。フランスは日本人に寄り添っている」とコメントした。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長もツイッターで、この「凶悪な」攻撃に「深くショックを受けた」と述べ、連帯を示したとルモンド紙などが報じた。
さらに欧州理事会のシャルル・ミシェル議長も8日、ツイッターで安倍晋三氏に対する「卑劣な攻撃にショックを受け、悲しみに沈んだ」と述べ、「彼は真の親友であり、多国間の秩序と民主主義の価値観を強く守ろうとした。EUはこの困難なときに、日本国民と岸田首相に寄り添っている」と投稿した。
一方、辞任を表明している英国のジョンソン首相は同日、安倍晋三元首相に対する「卑劣な攻撃」について、「がくぜんとし、悲しみに包まれている」と述べた。