仏下院選 与党過半数に届かず

右派・国民連合が歴史的躍進

フランスのマクロン大統領=16日、ウクライナ・キーウ(キエフ)(EPA時事)

【パリ安倍雅信】フランス国民議会(下院、577議席)決選投票が19日、行われ、マクロン大統領率いる中道の与党連合は過半数に届かなかった。一方、右派・国民連合(RN)は89議席を獲得し、歴史的躍進となった。左派陣営も議席を伸ばしており、4月に再選されたマクロン政権の2期目は、厳しい政権運営を迫られることになる。

内務省の20日の発表によると、与党連合が245議席を獲得した一方、急進左派「不屈のフランス」のメランション氏率いる左派陣営は131議席を獲得し第2党となった。一方、RNは5年前の選挙で8議席を獲得したのに対して89議席と大躍進。一方、サルコジ氏など歴代大統領を生んだ穏健右派・共和党(LR)は100議席から61議席に減少した。

第2次マクロン政権の不安定化は避けられず、LRの協力が不可欠な情勢となった。5年前の選挙でマクロン氏が設立した中道・共和国前進(REM)は308議席を獲得し、圧倒的多数で労働法改正や国鉄(SNCF)改革などを次々に断行したが、後半は反政府の「黄色いベスト運動」が長期化し、その間に議員の離党などでREMは過半数割れしていた。

一方、左派はメランション氏が4月の大統領選で3位と善戦したことから、劣勢の社会党などを巻き込み、左派連合を結成し下院選挙を戦った。過半数には大きく届かなかったため、メランション氏の首相指名はなくなったが、左派連合の存在感は増した。

「国民連合(RN)」のルペン氏=19日、北部エナンボーモン(AFP時事)

今回、89議席を獲得したRN率いるマリーヌ・ルペン氏は4月の大統領選の決選投票でマクロン氏に敗北したものの、過去最高の得票数で下院選にも手応えを感じていた。政権政党を目指すRNが議席を10倍に増やしたことは、フランス政界に左派連合の存在以上にインパクトを与えた。