決選へ右派ルペン氏が猛追 仏大統領選

最大の争点は年金改革

マクロン仏大統領(写真右)と「国民連合(RN)」のルペン氏(AFP時事)

【パリ安倍雅信】フランスの大統領選の決選投票を1週間後に控え、現職中道のエマニュエル・マクロン大統領は優勢と伝えられながらも挑戦者の右派・国民連合(RN)のマリーヌ・ルペン候補の猛追にさらされている。ルペン氏の挑戦は今回で3度目だが、2012年の第1回投票で3位、17年の2度目の挑戦でマクロン氏と決選投票を戦った。今回は、過去最高の得票率で24日の決選投票を目指している。

大統領選では「まさか極右の大統領を選ぶわけがない」との声が聞こえたが、今回は空気が異なる。前回、マクロン氏を支持しないがルペン氏を大統領にするわけにはいかないという有権者がマクロン氏に消去法で投票したケースもあったが、今回は棄権を選ぶ可能性も高いという。

昨年夏以降人気が急浮上し、第1回投票で7・1%を獲得した極右のゼムール候補の支持者がルペン氏に投票する可能性は高い。ルペン氏支持者は確実に投票に行くとみられ、マクロン氏に脅威となっている。

内政の最大の争点は年金改革で、年金支給年齢引き延ばしのマクロン氏と引き下げのルペン氏は真逆。ウクライナ危機に対しては、マクロン氏がロシア制裁に積極的なのに対して、ルペン氏はロシアとの最低限の関係維持の重要性を主張している。

マクロン大統領の登場でフランスは左右の既存大政党が衰退し、今回の第1回投票で中道右派・共和党のペクレス候補も、中道左派・社会党のイダルゴ候補も、得票率が低過ぎて供託金を没収される事態にまで落ち込んだ。マクロン氏は、この5年間、国民が嫌う労働法の改正や国鉄改革を断行し、長期にわたり反政府の黄色いベスト運動に悩まされてきた。失業率は現在7・4%に改善したものの、22年までに10%以上から7%に下げる公約は果たせなかった。

一方、ルペン氏は選挙の感触として「負ける気がしない」と周辺に語っている。彼女はこの選挙を自国の社会と文明の将来についての選択とし、「フランスの主権を回復する」ことを公約としている。「今回の決選投票は、グローバリストのマクロン氏と、主権を取り戻そうとする私の戦いだ」と明言し、有権者に選択を呼び掛けている。

極右のイメージは薄まり、政権政党を目指す右派候補だが、メディアはルペン氏を「ポピュリスト」「極右」と呼び続けている。

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