国連人権理 ロシア追放 民間人殺害への憤り示す

7日、ニューヨークの国連本部で決議案を採択する国連総会の研究特別会合(EPA時事)

【ニューヨーク時事】国連総会(193カ国)は7日の緊急特別会合で、人権理事会(47カ国)におけるロシアの理事国資格を停止する決議を日米英仏など93カ国の賛成で採択した。ウクライナ侵攻をめぐる過去2回の対ロシア決議に比べ、賛成が50カ国近く減ったものの、民間人殺害に世界が憤る中、ロシアの国際的孤立を改めて示した。

人権理の理事国資格が総会の決定によって停止されるのは、2011年のリビア以来で2例目。

決議は、ウクライナでロシアによる「重大で組織的な人権侵害」が報告されていることに「深刻な懸念」を表明し、23年末までの任期だったロシアの「理事国資格の停止を決定する」と明記した。ロシアは反発し、採択後に人権理を脱退する意向を表明した。

ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊では、ロシア軍撤収後に多数の民間人とみられる遺体が見つかった。ウクライナのキスリツァ国連大使は、採決に先立つ演説で「人権理事国が他国の領土で戦争犯罪と同等となり得る恐ろしい人権侵害を行っている」と述べ、追放は「義務だ」と訴えた。

決議を主導した米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「重要で歴史的な瞬間だ」と採択を歓迎。欧州連合(EU)のスコーグ国連大使も「ロシアが決議に反対するよう非常に強力な運動を仕掛けていた中で、ロシアの孤立が続いていることを示した」と評価した。

ただ、決議は国際機関からロシアを排除するという強力な措置を取る内容。人権侵害をめぐる調査結果を待ってから判断すべきだとの声も上がった。

過去2回の対露決議で、反対は北朝鮮やシリアなど5カ国にとどまったが、今回は24カ国に増加。新疆ウイグル自治区や香港での人権問題を抱える中国は「火に油を注ぐようなものだ」(張軍国連大使)として、これまでの棄権から初めて反対に回った。ベトナムやエチオピアなども反対した。

また、3月24日に採択されたウクライナの人道状況改善を求める決議で棄権は38カ国だったが、今回は58カ国に増えた。前回も棄権したインドに加え、人道決議を主導したメキシコも「多国間組織は除外ではなく包括してこそ強化される」と述べ、棄権に回った。

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