2回目の停戦協議、ロシア軍が兵力の9割を投入、爆撃激化
ロシアとウクライナの代表団は3日、ベラルーシ西部ブレスト州で、停戦交渉の2回目の協議を行い、ロシア代表団によると、攻撃にさらされる都市から市民を脱出させる「人道回廊」の設置が必要だという認識で双方は一致した。ただ、詳細は軍当局間でさらに詰める必要があるという。増え続ける犠牲者を減らせるのか、厳しい状況が続いている。
ウクライナ代表団のポドリャク大統領府顧問は協議終了後、ツイッターで「必要な成果を達成できなかった」と述べた。3回目の協議は週明けにも行われる見通し。
今回の協議では、2月28日の1回目でテーマとなった即時停戦に加え、人道回廊の確保が急がれた。今後、人道回廊が設置されるごく限定的な地域で、交戦が一時的に停止される可能性がある。ただ、ロシア軍は停戦交渉が続く中でも軍事作戦そのものは続行する構えで、ウクライナは強く反発している。
現地の戦闘は市民を巻き込みながら拡大している。米国防総省高官は3日、ロシア軍がウクライナ国境地帯に集結させた戦力の9割を投入したと分析結果を明らかにした。首都キエフや第2の都市ハリコフ、北部チェルニヒウで激しい爆撃が行われていると指摘した。
高官は「ハリコフのすぐ郊外までロシア軍が迫っている」と強調した。「キエフやハリコフでは明らかに政府系施設に対する爆撃が激しさを増している」と分析。住宅なども爆撃を受けているとして「民間施設を標的にする意図があからさまになっている」と述べた。
バイデン米大統領も閣議で、ロシア軍が「無差別」に攻撃を行っていると批判した。
ロシア軍はこれまでにミサイル480発を使用した。ウクライナ非常事態庁によれば、チェルニヒウでは3日、ロシア軍が学校や住宅などを空爆し、少なくとも33人が死亡した。(モスクワ、イスタンブール、ワシントン時事)