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中国BYDが「奴隷的労働」でブラックリスト入り ブラジル

 【サンパウロ綾村悟】ブラジル労働雇用省(MTE)は6日、奴隷的労働条件を強いた企業・個人を公表する「強制労働ブラックリスト(LISTA・SUJA)」の最新版に、中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)を新規掲載した。

輸出を控える中国の比亜迪(BYD)製電気自動車(EV)など=2005年4月7日、江蘇省蘇州市(AFP時事)

 BYDは、ブラジル東北部バイーア州カマサリ市で進める新規工場の建設現場で、中国人労働者163人を「奴隷的労働」に相当する劣悪環境に置いていたと行政認定された。今回のリスト更新では169件が新たに掲載されており、BYDは特に注目される事例となった。

 BYDの問題が表面化したのは2024年12月。ブラジル当局が一斉摘発を実施し、長時間に及ぶ強制労働や劣悪な住環境など、奴隷のような状況がブラジルメディアでも報道され、社会問題化した。

 BYDは建設工事を請け負った中国系下請け企業との契約を即時解除し、「問題の責任は業者側にある」と主張した。しかし労働検察庁は「元請けとしての管理責任は免れない」と判断し、昨年12月に約4000万レアル(約12億円)の和解協定が締結された。

 ブラックリストへの掲載は行政罰で、業務・操業停止にはならない。ただし掲載された企業は、政策投資銀行(BNDES)などの公的融資審査で著しく不利となる。BYDはカマサリ工場の建設に55億レアル(1700億円)超を投じる計画で、今後の資金調達に支障をきたす可能性が高い。

 BYDは、原油高と戦略的な価格設定を追い風にブラジルでの販売が急伸、今年1月と2月を合わせた自動車小売市場では3位にまで浮上した。一方、修理費等への苦情も増えており、消費者サイトでは全自動車メーカー中で下から2番目の低評価を記録した。

 リセールバリュー(再販価値)の低さも問題視されており、今回のブラックリスト入りは、急速な拡大戦略と、品質・労務管理の深刻な乖離(かいり)を示す形となっている。

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