トップ国際中国追い詰められた習主席、軍事セオリー無視の日本侵攻も

追い詰められた習主席、軍事セオリー無視の日本侵攻も

戦争学研究家 上岡龍次

整列する人民解放軍兵士たち
整列する人民解放軍兵士たち

悪化する日中関係

 高市首相が台湾有事発言をすると中国と国内の親中派メディアが高市首相を批判した。中国は高市首相に対して発言撤回を求めるが高市首相は否定。そんな時に中国の戦闘機が航空自衛隊の戦闘機に対してロックオンする騒ぎが発生。中国は日本に対して軍事的圧力を加えるが国内では中国の脅威から国防に対する意識を強める結果になった。

 さらに政府高官がオフレコで12月18日に「日本は核兵器を保有すべき」発言が報道される。中国と親中派メディアが批判するが、国内のSNSでは日本の核兵器保有に肯定的な結果が判明する。これで中国の思惑とは真逆の流れに進んでいる。

強大な軍事力を保有する中国が仲間集め

 高市首相の台湾有事発言から急速に日中関係は悪化し、中国のエスカレーションは止まらない。中国は軍拡を急いでおり今では台湾と日本を圧倒する軍事力を持っているとされ、実際に中国は中国軍の圧倒的な軍事力で台湾と日本を恫喝している。それなのに中国は高市首相を批判するために日本に対して批判するように同調を求める動きをする。

■中国、中央アジアで影響力拡大急ぐ 高市首相答弁で対日圧力への同調呼びかけも
https://www.sankei.com/article/20251220-PNEKQEL5UJLHPBOGLJL4L3E4XU/

 中国は経済力を用いて軍拡し、一帯一路構想で金をばら撒いている。高市首相を批判するために経済力で仲間を集めるのは何故だ? 結論を言えば、中国軍は張り子の虎だから仲間を集めている。

■令和7年版 防衛白書
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2025/pdf/R07010100.pdf

 ミリタリーバランス(2025)を元にした令和7年版 防衛白書によると、中国の作戦機は3,370機であり日本の作戦機は370機とされている。ここまで作戦機の数に格差がありすぎると、台湾の作戦機420機・在日米軍の作戦機120機を加えても絶望的な違いになる。それなのに中国は今まで台湾侵攻・日本侵攻を実行しなかった。

作戦機運用の基本

 中国の作戦機が3,370機とされるが実際には水増しされている可能性がある。これをスウェーデン戦略研究所が第二次世界大戦以降の世界のデータを20年以上かけて調べた成果から説明したい。

・戦闘機のパイロットは10回連続出撃すると、10名中8名までが何らかの心的・肉体的障害を受けて11回目の出撃ができなくなる。

・パイロットは戦闘機の爆音の聞こえない静かな環境でリハビリして次の出撃に備える必要が有る。

 研究を進めるとパイロットは撃墜や負傷の損失だけではなく出撃の度に過度のストレスを受けていた。このため連続して11回目の出撃にできるのは10名中2名になっていた。スウェーデン戦略研究所の研究結果から、作戦機の数に対して4倍のパイロットを揃えるのが基本になった。

 台湾・アメリカ・日本は中国の作戦機と比較すると数が少ないが、上記の作戦機に対して4倍のパイロット数を根拠にしている。さらに作戦機を保有すると常に整備が必要だから、稼働率の向上と維持が各国の軍隊の頭を悩ませている。端的に言えば中国の作戦機3,370機というのは眉唾物。何故なら整備問題を抱えるしパイロットの数は4倍もいるのか不明なことが多い。

アメリカの本音と建前

 アメリカから見れば台湾は海上交通路を防衛する重要な島。だからアメリカは中国との友好関係を維持しながら台湾への支援を止めていない。このためアメリカのルビオ米国務長官は「日本との強固な同盟関係を継続しつつ、中国と生産的に協力できる方法を見いだせると強く信じている」と発言している。

■中国、米の対台湾武器売却に反発 「強力な措置」警告
https://jp.reuters.com/world/taiwan/M6NRWIKZ3BKBXKRVB5DL4KH67U-2025-12-19/

 だがアメリカの言葉は美しいが台湾優先なので111億ドル規模の対台湾武器売却計画を進めている。これに対して中国は反発するが、真にアメリカが中国と生産的に協力するわけではない。協力できる方法を見いだせると信じているだけ。

AIドローン用いた破壊活動

 中国は高市首相の台湾有事発言でエスカレーションを続けているが止めることはできない。何故なら中国がエスカレーションを止めたら高市首相に敗北したことを意味する。そうなると中国人民は共産党に対する恐怖が消えてしまい、最悪の場合は民主政治を求めて易姓革命を起こすだろう。

 これが明らかだから中国がエスカレーションを続けると必ず中国からの開戦に至る。つまり中国はブレーキがない車で日本に突進するしか選択肢がない状態なのだ。中国は軍事力を大きく宣伝し数の暴力で台湾・アメリカ・日本に譲歩させたいが失敗している。

 さらに悪いことに日本は高市首相になると国防意識が高まっていく。岸田・石破時代であれば日本各地に外国人自治区が生まれる危険性があった。仮に外国人自治区が生まれると国内に警察・自衛隊が介入できない聖域となる。そうなると日本でテロ・ゲリラを実行して外国人自治区である聖域に逃げれば警察・自衛隊は対応困難。テロ・ゲリラは国内で長期戦を実行できるから中国が日本に侵攻する時の戦力になる。

 さらに日本国内の外国人自治区が祖国への帰属を求めたら、中国は“人民の保護”を名目に中国軍を外国人自治区に進駐させることが可能。これは前例があり、ソ連時代からロシアはジョージア北部に国民を移民として送り込む。ソ連が崩壊しロシア連邦に代わる頃にはジョージア北部のロシア系移民は現地民よりも多数派になった。

 多数派になったロシア系移民は移民自治を求めて選挙で勝利。その後ロシア系移民は祖国への帰属をプーチン大統領に求めると、プーチン大統領は自国民保護を名目にジョージア北部に侵攻(2008)した。

 岸田・石破時代の日本は急速に外国人の横暴が拡大しており外国人自治区の誕生が危惧されていた。このため中国が岸田・石破時代であれば国内でテロ・ゲリラを行い内側から混乱させ、同時に中国軍を外国人自治区に進駐させるか日本侵攻も可能だった。

 しかし高市首相に代わると日本国内に外国人自治区を作ることが困難になる。するとテロ・ゲリラを実行しても聖域がないから警察・自衛隊に殲滅される。何故ならテロ・ゲリラは外部からの補給が得られなければ長期戦は不可能。実際にイスラム教徒親子が12月14日にオーストラリア・シドニー近郊のボンダイビーチでテロを実行したが、20分後に現地警察に制圧された。

 テロ・ゲリラは一時的に殺人を行えるが継続的な戦闘はできない。こうなると日本国内で自殺覚悟のテロ・ゲリラを実行する者は皆無になる。だがドローンを用いた破壊活動は可能だ。仮にAIドローンを用いれば一人の人民でも大量に操作可能。AIドローンの破壊力は小さくても大量であれば在日米軍基地・自衛隊基地に対する妨害は可能。

 そうなると中国は日本国内でAIドローンを用いた破壊活動で混乱させ、在日米軍と自衛隊の初動を遅らせることで開戦奇襲の成功を追求することになる。ならば中国は沖縄だけではなく九州の佐世保基地を開戦奇襲で攻撃する可能性が高くなる。何故なら沖縄を攻撃すると思わせて佐世保を破壊できれば、アメリカ海軍・海上自衛隊の整備能力と九州・沖縄の兵站線を遮断できるから。それだけ中国には開戦奇襲の旨味はある。

成功するとは限らない

 中国は日本に対してエスカレーションを続けているから、人民の易姓革命を恐れて中国からの開戦しか残されていない。そうなると私は2026年の12月までに中国が開戦すると予測している。

 中国が真に勝利を狙うなら島伝いに侵攻するのが海戦のセオリー。しかし追い詰められた中国が海戦ではなく陸戦思想を海に持ち込むと、佐世保を開戦奇襲で攻撃する可能性が高まる。何故なら中国が台湾に侵攻すると日本とアメリカが支援するから中国軍は損害を増大させたままアメリカ軍との戦闘に至る。これでは中国軍は困るから、開戦奇襲で可能な限りアメリカ海軍と海上自衛隊に損害を与えるなら佐世保への攻撃に至る。

 仮に中国が開戦奇襲で佐世保への攻撃を実行しても成功するとは限らない。何故なら開戦のセオリーを無視するから継続的な補給が難しい。これが原因で海戦は島伝いの侵攻になるが、追い詰められた習近平は軍事のセオリーを無視して日本侵攻を命令する可能性が高い。

(この記事はオンライン版の寄稿であり、必ずしも本紙の論調と同じとは限りません)

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