中国の報復と無意味な結果
高市首相の台湾有事に関する国会答弁に中国が反発し、渡航自粛・日本からのホタテ貝の輸入停止を実行した。日本のメディアは中国からの旅行者が減少しホテルは大打撃を受けたと報道する。ホタテ業者は中国への輸出が停止したので大損害を受けたと報道した。だが該当のホテルは影響はないと発言した。ホタテ業者は販路を中国から変更していたので影響はないと発言した。
さらにアメリカのウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、「トランプ大統領から高市首相へ台湾の主権に関する問題で中国政府を挑発しないよう助言があった」との報道があった。だが日本政府は「そのような事実ない」と公式に発表するなど、中国寄りの報道と否定する結果が相次いだ。これにより中国からの宣伝工作が行われていることが明白になる。
中国の宣伝工作と危険な兆候
中国は日本の高市首相に対して台湾有事に関する国会答弁に反発し報復を科し、発言の撤回を要求した。だが高市首相が無視したことで中国の報復が続いた。だが日本に対して行った報復は全て無意味な結果に終わった。さらに中国は海外メディアを使って対日宣伝工作を行っているらしく、ウォールストリート・ジャーナルだけではなくロイターまで裏付け調査なしの報道を行った。
■中国、日本渡航に再警告 「侮辱や暴行で複数の負傷報告」
https://jp.reuters.com/world/china/TVQ7LTGQTJLFRFLLJTW5Y57ZN4-2025-11-26/

ロイターは日本国内の事実確認をしないまま中国からの発表だけで、日本国内で中国人が侮辱や暴行を受けていると報道した。実際に日本人が中国人を侮辱や暴行しているならば、日本で活動する海外メディアは確認することは簡単だ。だが日本で活動する海外メディアからは肯定する報道は出ていない。これが現実なのだが、過去の戦例を見ると危険な兆候が出ている。
危険な兆候と過去の戦例
仮に中国が日本を攻撃するならば懲罰戦争と称するだろう。さらに日本国内で中国人民が迫害されていることを宣伝し、救出を名目に開戦の正当性にすることは間違いない。これらはドイツのヒットラーが行ったポーランド侵攻(1939)と中国がベトナムに対して懲罰名目に侵攻した中越戦争(1979)が戦例になる。
ドイツは第一次世界大戦で敗北するがヒットラーの台頭で急速に勢力を拡大した。ヒットラーは瀬戸際外交を実行し、第一次世界大戦の経験から戦争を回避するイギリス・フランスから譲歩を引き出していた。瀬戸際外交は戦争をするには小さな外交問題をネタに戦争を売り付ける。当時のイギリス・フランスは戦争するにはコストが合わないからヒットラーに譲歩していたが、勢いに乗るヒットラーはポーランドに手を出した。
ドイツとポーランドは自由都市ダンツィヒの帰属とポーランド回廊で対立し外交でも解決しなかった。これは今の中国と日本の台湾の帰属と台湾有事の内容と同じ。ヒットラーは「ポーランド正規軍によるドイツ領のラジオ放送局への攻撃」(グライヴィッツ事件)とポーランド国内でドイツ人が迫害されていることなどでポーランドに対して16箇条の要求を行った。だがポーランドが無回答だったことを理由にポーランド侵攻を命じた。
中国はベトナム戦争(1955-1975)期間中に北ベトナム政府を支援していたが、戦後に中国の友好国であるカンボジアのポル・ポト政権を崩壊させた。中国はカンボジアのポル・ポト政権を友好国と見なして支援すると同時に、ベトナムと領土問題を抱えており政治的に対立していた。これで中国はベトナムに対してベトナム戦争で支援したことを忘れた裏切りと見なした。これにより中国は恩を仇で返すベトナムを懲罰することを目的とした中越戦争を開始した。
開戦する材料が揃っている
中国は高市首相に発言の撤回を要求しているが無視されている。さらに中国は日本国内で中国人民が迫害されていると宣伝。そして中国は国連に台湾有事と高市首相の危険性を持ち込んだ。これは国連を用いた間接的な宣戦布告になる。実際にアメリカは国連に外交問題を持ち込んで湾岸戦争(1991)とイラク戦争(2003-2011)を開始している。
ドイツのポーランド侵攻と中国がベトナムに対して行った中越戦争を戦例とすれば、中国が日本への開戦の理由にする材料が揃っている。下記のような文言で中国は開戦するだろう。
“台湾は中国の領土であり、国土と日本国内の人民を守るために日本を懲罰する”
怒りの本質は“自分は臆病・自分では何もできない”の二者択一。情報操作に利用するものは怒りの根源である恐怖心になる。何故なら怒りは人間の狂気を生み冷静な判断力を奪う。中国は日本国内で人民が迫害されていると宣伝しているから、中国は意図的に人民を怒らせていると仮定すれば中国は開戦の正当性を作っている。
海外メディアが真偽を確認せずに報道するなら中立性を無視した中国の思惑を伝えるスピーカー。中国メディア・中国SNSで“日本国内で迫害されている中国人民を人民解放軍を投入して救出すべき”との怒りの声が増加したら危険信号。こうなれば中国は台湾侵攻ではなく日本侵攻を行うことになる。これを察知したアメリカ軍は日本国内に物資を集めるはずだ。これらが確認されたら中国による日本侵攻の予兆となる。
(この記事はオンライン版の寄稿であり、必ずしも本紙の論調と同じとは限りません)





