こんにちは、元・中国人、現・日本人の漫画家の孫向文です。
1ヵ月前、筆者は中国の地元情報をもとに、Xで中国国内における新型コロナウイルスの再流行について投稿しました。1ヵ月後の現在、その情報は世界各国でも報道されるようになりました。
ところが、日本のメディアはほとんど報道せず、日本政府も中国からの入国者による感染拡大の可能性があるにもかかわらず、入国規制などの対応を一切取っていません。
本日は、その後の最新情報をお伝えしていきます。
●新型コロナ変異株「NB.1.8.1」、中国国内は箝口令も、既に台湾で大流行

実は最近、中国に住む筆者の母が様々なコロナのような症状を発症し、病院を受診しました。具体的には、倦怠感、声が出にくい・声が低くなる、発熱、食欲不振、一日中寝ている…といった症状でした。
これは、典型的な新型コロナの症状です。母は病院を受診しましたが、診断は「ただのインフルエンザ」だと診断され、現在も療養中です。
病院では、コロナ感染の検査や診断が行われたわけではなく、あくまでインフルエンザという診断にとどまっています。そんなわけで個人的には、少し心配している状況です。
ちなみに母から聞いた話によると、現在市内の病院の呼吸器科は満員状態。中国国内で、何か新しい変異型のコロナウイルスが発生している可能性もあるのでは?と感じています。
ご存知のように中国国内では箝口令が敷かれ、中国共産党が報道規制していて真実の状況はわかりませんでした。
しかし今では、中国から台湾、アジア各国まで拡大している状況です。
そこでまずは現在の台湾の感染拡大状況を皆さんにお伝えしましょう。
以下は5月29日の時点で台湾の正式なメディアが報道した情報です。
台湾疾病管制署(台湾CDC)は、先週新たに102例の新型コロナウイルス重症例と19例の死亡例が報告されたと発表しました。中でも、重症者の中には生後わずか1カ月の男児も含まれていました。
また、中国で最近感染が急増している新型コロナ変異株「NB.1.8.1」が、台湾でも確認されており、過去4週間の国内感染例の中で41%を占め、最多となっています。
台湾CDCは「この新しい変異株NB.1.8.1は、非常に強い免疫逃避の特徴を持ち、以前流行していた変異株よりも感染力が高いようです。先ほども説明した通り、近隣諸国の様子を見る限り、今回の感染拡大のスピードはかなり速いようです」と発表しました。台湾CDCは、中国、タイ、香港で新型コロナの感染が上昇傾向にあることを踏まえ、国境を越えた感染拡大に十分な警戒が必要だとしています。
CDCの予測によると、7月初旬には台湾国内の外来受診者数が20万人に達する可能性があるとしています。
台湾CDCは「現在、感染のピーク時期については修正されており、1週間遅れて6月下旬から7月初旬にかけてとなる見込みです。受診者数のピークも引き上げられており、1週間あたり15万~20万人に達する可能性があります。この流行の規模は、昨年夏の第6波を上回るでしょう。」と述べました。
また、週末の端午節(旧暦の端午の節句)による連休中には人の移動が活発になるため、CDCは公共交通機関の利用時や人が密集する屋内施設では、特に高齢者や慢性疾患のある方に対し、マスクの着用を推奨しています。
●既に米国にまで拡大
この発生源が中国大陸であるのは間違いありません。そしてこの新型コロナ変異株「NB.1.8.1」は既にアメリカまで拡大しています。
米国疾病予防管理センター(CDC)は、変異株「NB.1.8.1」がニューヨークなど複数の地域で確認されたことを認めました。現在のところ感染者数は多くはありませんが、全体的な追跡は困難だとしています。
米国の空港における検査データによると、このNB.1.8.1変異株に感染していた渡航者の足取りは、中国、日本、韓国、フランス、タイ、オランダ、スペイン、ベトナム、台湾などに及んでおり、このウイルスがすでに世界中に拡散していることが示されています。
また、中国の上海や広州などの主要都市では、「ロックダウン(都市封鎖)」に近いような防疫措置が再び見られています。広州市黄浦区では、学生が相次いで「自宅隔離」され、「登校許可証(返校証明)」の取得が困難な状況です。
さらに、鄭州市の住民によれば、地元の病院は満床状態。身の回りで突然死の事例も頻発しているとのことです。
現時点ではこのような状況になります。しかし、親中派の石破茂政権ではどんなに感染拡大しても、中国から入国する人を規制する可能性はほとんどないでしょう。
●今こそ各国がWHO脱退を
最後に関連の情報を1つお伝えしておきます。2020年日本国内で新型コロナウイルスが感染拡大した時、日本の厚生労働省は、そのほとんどを世界保健機関(WHO)の情報に基づき、日本国民に発信しましたが、しかしWHO自体が、中国に浸透されて情報隠蔽している状況です。
ですから、今もなお、このような役に立たないWHOと厚生労働省が運営という状況が続いています。
実は米国のトランプ政権に続き、アルゼンチンも最近、WHOからの脱退を発表して大きな注目を集めました。
両国は5月27日(火)、WHOからの脱退に関する共同声明を発表し、パンデミック時のWHOの対応を非難するとともに、中国共産党の影響を受けている、と批判しました。
これにより、WHOは世界の公衆衛生において最も必要とされる「独立した指導力」さえも失ってしまいました。
この日、米国のロバート・F・ケネディ・ジュニア保健長官がアルゼンチンを訪問、ハビエル・ミレイ大統領およびマリオ・ルゴネス保健相と会談しました。
その後発表された共同声明では、「WHOによる新型コロナウイルスへの対応は、深刻な構造的・運営上の欠陥を露呈し、国際社会の信頼を損なった。これは、科学に基づいた独立したリーダーシップの必要性を浮き彫りにした」「WHOが実質的な改革を行わず、財政面でも不均衡が続き、政治的色彩を強めている」とし、これにより最終的に脱退を決定したとしています。
さらに声明では、両国の脱退が「科学的誠実さ、透明性、主権、説明責任を基盤とする新たな国際的公衆衛生協力モデルの構築」を目指すものであるとも述べています。
ケネディ・ジュニア氏は先週、WHO年次総会でもWHOを強く批判し、コロナ禍における中国共産党への妥協姿勢を問題視しました。
そして、米国のWHO脱退を「警鐘」と捉え、他国もこれに続くよう呼びかけました。ですから今こそ日本もWHOの脱退をするべきなのではないでしょうか。
(この記事はオンライン版の寄稿であり、必ずしも本紙の論調と同じとは限りません)