■習近平氏の侵略宣言
戦前、日本が併合したことで台湾は日本の領土になり台湾人は日本人になった。戦前の中国は無政府状態で軍閥が権力闘争をしていた。この中国は共産党と国民党の二大勢力の内戦となるが、最終的に共産党が勝利し国民党が敗北した。この時期に第二次世界大戦が終了し、日本は北方領土と台湾の主権を放棄した。台湾は日本の領土だったが日本軍がいないことで内戦に敗れた国民党が台湾に入り込む。
第二次世界大戦後の台湾は日本人から台湾人となるが、国民党が台湾を支配したことで中国の領土だと拡大解釈される理由になる。これが中国の建国以来の大義名分になり現在まで続いている。
中国の習主席、台湾統一「誰も止められない」
https://www.afpbb.com/articles/-/3556436
中国は過去に台湾を威嚇する軍事演習を繰り返したが未だに台湾侵攻をしていない。これまでの人民解放軍の戦力では台湾侵攻は不可能と判断されていたが、人民解放軍の急速な戦力増強が危惧されるようになる。さらにアメリカとの関係悪化が台湾の存在を強くしている。さらに中国の習近平氏が新年を迎え台湾侵攻を示唆する発言をしたことで危機が高まっている。
■地政学から見た台湾と日本の意味
3000年の戦争史を見ると紀元前の時代から国家に大陸国家と海洋国家に区別があることが明らかになっている。文字による記述であれば紀元前のトゥキュディデスによるペロポネソス戦争(紀元前431年~紀元前404年)の歴史に記されている。簡単に言えばアテネは海洋国家でありスパルタは大陸国家である。
地政学:生活環境が人間の思考と行動を先決的に規制する。
大陸国家:国内は独裁で国外には民主的
海洋国家:国内は民主的で国外には独裁的
大陸国家:必要性で思考する
海洋国家:可能性で思考する
歴史の経験則に気付いた者たちが“生活環境が人間の思考と行動を先決的に規制する”ことに気付き、地政学を創る。地政学は国家戦略・軍事戦略の土台となり今では国家と軍隊の方針を知る手がかりになっている。
今の中国は大陸国家だから政治方針は“国内は独裁で国外には民主的”であり、アメリカは海洋国家なので“国内は民主的で国外には独裁的”である。このため紀元前の時代から現代まで政治方針が水と油の関係で国家間の対立が絶えない理由になる。
大陸国家は土地から資産を得ているから独裁的になり他人を支配する傾向になる。土地が多いほど資産が増えるので土地を同心円状に拡大する。実際に中国の拡大政策である第1列島線・第2列島線が該当する。
この第1列島線・第2列島線に台湾と日本が組み込まれていることは、明らかに大陸国家の方針に従い“台湾と日本”を中国が支配することを意味している。このため占領した後は台湾と日本を支配する。こうなれば台湾人と日本人は排斥され最悪の場合は地上から消えることになる。この参考例はチベット・東トルキスタンが該当する。
■軍事戦略から見た台湾と日本の意味
結論から言えば、軍事戦略から見ると台湾と日本の沖縄は隘路の出入り口に存在する。この出入り口に存在することが台湾と日本の沖縄に戦略的価値を与える原因になった。大陸国家中国から見ると、渤海周辺(青島から大連)は防御陣地であり台湾と日本は太平洋に進出するための攻撃陣地に該当する。
それに対して海洋国家アメリカから見ると台湾と日本は大陸国家を太平洋に進出させない防御陣地になり、渤海周辺は大陸に進出するための攻撃陣地に該当する。実際に日清戦争・日露戦争で青島と大連は清とロシア帝国が基地を置いており、日本が大陸に進出する時の戦場であり占領後に基地になった。このように陣地・基地を置く理由が明確に存在する。
基地:戦略的地勢・戦力(兵員・装備)の休養・補給・整備・防護の機能。そのためには基地周辺に工場と技術、本国との兵站連絡施設が必要。
泊地:戦略的地勢・戦力の休養・軽整備の機能で十分。
基地の価値
1:戦略的地勢
2:戦力(兵員・装備)の休養、補給・整備
3:防護の機能
泊地の価値
1:戦略的地勢
2:戦力の休養・軽整備の機能
泊地と基地の特徴
泊地は海洋・航空戦力で簡単に無力化できるが基地は陸軍が陸上から侵攻して攻撃しなければ無力化や奪取はできない。
アメリカ領グアムは泊地で基地の価値は小さいが沖縄は基地と泊地の両条件を備えている。さらに台湾の高雄とシンガポールの価値は高いが、フィリピンとベトナムの基地は基地後背地能力が低いので泊地にしか使えない。これは基地を支援するインフラが貧弱なので、基地にするには大規模な資金投入が求められる。さらに、仮に中国が沖縄を占領しても西太平洋は管制できるが制海権を獲得することはできない特徴がある。
北太平洋の管制 :横須賀・佐世保・ミッドウェー島
中部太平洋の管制:グアム・マニラ
西太平洋の管制 :沖縄
南シナ海の管制 :台湾・マニラ
大陸国家中国が太平洋に進出するには必ず台湾と日本の沖縄を占領しなければならない。つまり隘路の出入り口を占領することで大陸国家中国は攻撃陣地を獲得する。さらに制海権は基地から継続的に戦場まで往復することで獲得できるので、大陸国家中国が太平洋の制海権を獲得するには、台湾・フィリピン・日本の沖縄・横須賀・佐世保を占領しなければならない。
「重要土地」の外国人・法人による取得は中国が最多 初の調査、防衛省周辺は特に多く
https://www.sankei.com/article/20241223-KNTTI6PN3NKJZP3DEI2HOFCBGQ/
中国はこのことを知っているから日本各地で中国人富裕層が土地を買い漁っている。外国人が簡単に土地を買える日本政府の対応が異常なのは、上記の地政学・軍事戦略の意味を知らないことが原因。仮に知っていれば国防上から外国人が土地を買えないようにすると同時にスパイ防止法で安全を守る。
■台湾と日本は一蓮托生
私個人の意見では国民党と元日本人だった台湾人は別。だから台湾防衛は元日本人だった台湾人を守ることであり、国民党は直ちに大陸本土に戻るべきだ。国民党が大陸本土に戻ることを前提にするのであれば日米で台湾軍を支援すべき。
さらに言えば日本はサンフランシスコ講和条約(1951)で主権を放棄したが帰属先が未定。これが原因で台湾の立場は宙に浮いている。このため台湾は中国が領土だと主張する原因になり、元日本人だった台湾人を苦しめることになった。
国民党が大陸本土に戻れば元日本人だった台湾人には選択肢がある。台湾人から日本人に戻り台湾が日本領に復帰する案。もう一つは元日本人だった台湾人が台湾を独立させ、日本と対等な国として同盟する案だ。さらに言えば台湾として独立し、外交と軍事を日本に委任した連邦制の案もある。
A案:元日本人だった台湾人が日本に復帰する。
B案:元日本人だった台湾人が独立する。
C案:B案後に外交と軍事を日本に委任して日本と連邦制を採用する。
日本は古代から複数の国が中心となる国に外交と軍事を委任した連邦制。幕藩体制が典型例だから日本は連邦制で台湾を組み込んでも歴史に従うだけ。だが今の日本の政治家の多くが親中派だから実現は難しい。
何故なら中国人富裕層が自衛隊基地・在日米軍基地周辺の土地を買うことを禁止していない。さらにスパイ防止法成立に反対しているから日米の国防のことを考えていないのだ。地政学・軍事戦略から見ると台湾と日本が重要な位置に存在していることを理解しないし、親中派であることは台湾有事・日本有事の引き金になるだろう。この意味でも台湾と日本は一蓮托生なのだ。
(この記事はオンライン版の寄稿であり、必ずしも本紙の論調と同じとは限りません)