中国国営の新華社通信によると内陸部、湖南省常徳市の小学校前で19日朝、児童らが無差別に車にはねられた。死傷者の人数は分かっていない。
北京の日本大使館が中国当局に確認したところ、被害者の中に日本人はいないという。
事件を起こしたのは小型のスポーツ用多目的車(SUV)で、車の運転手は保護者や小学校の警備員によってその場で取り押さえられた。
ネット上に上がった映像からは、小学生が「助けて、助けて」と叫びながら小学校に駆け込む様子が見られた。地面に倒れて動かない人や、けが人に懸命に治療を施す人の姿、容疑者を取り囲む様子なども確認された。
中国では人が集まる場所での凶悪事件が最近、続いている。11日、広東省珠海市では男が自動車で人々をはね、35人が死亡、43人が負傷した。16日には江蘇省無錫市の専門学校前で男が無差別に刃物で切り付け8人が死亡、17人が負傷した。
珠海市での事件後、習近平国家主席は類似事件の防止を指示したが、その後も凶悪事件は続き、中国社会では治安への懸念が高まっている。中国で人々は、一連の凶悪事件を個人の不満の矛先が社会へ向かう「社会への報復」事件と呼んでおり、今回も「また起きた」とネット上でささやかれている。(外報部)