
強制収容所の生還者が体験語る
中国・新疆ウイグル自治区で行われている迫害の実態を世界に訴えているケルビヌル・シディクさん(53)は9月30日、都内の記者会見で中国当局による強制的な不妊手術など、自身の体験を語った。
同自治区のウルムチに住んでいたケルビヌルさんは2017年に中国語教師として、中国が「再教育施設」とする強制収容所に派遣された。収容所内では女性たちに対し、武器を所持した中国人男性による性的暴行が日常的に行われていたという。
さらに「毎週月曜日には中身の分からない薬を飲まされた」と証言。ケルビヌルさん自身も子宮内避妊具(IUD)の強制的な装着を3度経験し、50歳となった2019年には不妊手術を受けさせられた。
中国政府は認めないが、人口抑制のための手術が強制されていると訴える声は根強い。

ウイグル人の世界的指導者である世界ウイグル会議のドルクン・エイサ総裁は「人権侵害は他の国でもあるが、ジェノサイド(集団殺害)を行っているのは中国だけだ」と強調し、世界第3位の経済大国である日本が「ウイグル問題に積極的に関与して、(迫害を)やめさせてほしい」と呼び掛けた。
中国のチベット自治区や南モンゴル(内モンゴル自治区)でも中国当局による迫害が行われている。南モンゴル出身のオルホノド・ダイチン氏は「ジェノサイドは人類歴史の中で負の遺産だ。それが、国連の常任理事国である中国が行ってている」と述べ、「世界はこれを許してはいけない」と強く批判した。