大技なくとも完成度で勝負、ROCの牙城を崩せるか
フィギュアスケートは17日夜に女子フリーが行われる。2大会連続代表の坂本花織(シスメックス)は、15日のショートプログラム(SP)で79・84点の自己ベストをマークし3位につけた。メダルを獲得すれば、この種目の日本勢では2010年バンクーバー五輪で銀の浅田真央以来となる。
坂本は完成度でロシア・オリンピック委員会(ROC)の強豪3人と勝負できるかがカギ。SP82・16点で首位のカミラ・ワリエワ、80・20点で2位のアンナ・シェルバコワ、74・60点で4位のアレクサンドラ・トルソワは、いずれもフリーで4回転ジャンプを入れてくる。
坂本は4回転やトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)といった大技はないが、一つ一つのジャンプで出来栄え点(GOE)の評価が高い。16日午後の本番リンクでの練習では、曲をかけた際にミスもあった。前夜はなかなか寝付けなかったこともあり、動きが悪かったという。それでも、「集中すれば大丈夫」と明るい表情で話した。
メダル争いで気になるのは坂本を5・24点差で追うトルソワ。フリーの4回転は5本跳ぶ可能性があり、高難度のルッツからの連続ジャンプを基礎点が1・1倍される後半に組み込んでくるかもしれない。
ROC勢がミスを最小限にとどめて演技をまとめれば、坂本にとって状況は厳しい。「パーフェクトにやることだけを考える」。自分らしさを前面に出して、牙城を崩せるか。(時事)