トップ国際中南米トランプ氏「史上最大の原油取引」 ベネズエラとの合意発表

トランプ氏「史上最大の原油取引」 ベネズエラとの合意発表

 【サンパウロ綾村悟】「世界史上最大の原油取引」。トランプ大統領は28日、米国と南米ベネズエラの間で、確認埋蔵量約650億バレルの原油に対する過半数の支配権を米国側が握る合意が成立したと自身のSNSで発表した。実現すれば、米国の石油埋蔵量を「倍増」させ、ガソリン価格を長期的に押し下げる効果が期待される。

29日、ベネズエラのマラカイボ沖を航行する石油タンカー(EPA時事)
29日、ベネズエラのマラカイボ沖を航行する石油タンカー(EPA時事)

 これを受けベネズエラのロドリゲス暫定大統領も29日、声明を発表した。合意は17の戦略的油田の開発を含み、1000億ドル超の民間投資と約2090億ドルの税収をもたらすとし、経済再建への一歩と位置付けた。ルビオ米国務長官も「両国民にとって大きな勝利」と評している。

 合意の中核は、米政府とベネズエラの民間オペレーターが設立する新会社だ。米当局者によれば、米国側は実質55%の生産支配権を握るという。一方、ロドリゲス氏は「25年間の二国間プロジェクト」とし、日量150万バレル超の生産目標を掲げた。新会社は確認埋蔵量ベースで世界第2位の民間石油企業になるとも報じられている。

 ベネズエラの重質油はもともと米国向け輸出が多く、米湾岸の製油所はベネズエラ産の重質・高硫黄原油を処理できる数少ない「受け皿」として機能してきた。

 この取引は、イラン戦争で中東からの供給が不安定化する中で浮上した。ホルムズ海峡の輸送が滞り、米戦略石油備蓄(SPR)が1980年代以来の低水準に落ち込む中、西半球内で巨大な重質油源を確保できれば地政学的リスクがある中東への依存度を下げられる。

 さらに、トランプ政権が進める西半球資源の囲い込み戦略も背景にある。今年初めには、中国向けだったベネズエラ産原油の一部を米国へ振り替える交渉の存在が報じられている。ベネズエラから中国・ロシアへの供給を絞り、米国主導のエネルギー圏に組み込む狙いは明確だ。

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