【サンパウロ綾村悟】ブラジル国民(有権者)の8割以上が「大統領候補を含む政治家が神を信じることは重要だ」と考えていることが、研究機関や世論調査で明らかになり、大統領選を10月に控えた中で有権者の志向の一端を示すものとして注目を集めている。
政府系ブラジル通信は20日、リオデジャネイロ連邦大学(UFF)の「政治・芸術・宗教に関する社会人類学研究ラボ(LePar)」が国内の有権者を対象として実施した調査において、回答者の81%が「支持する候補者(政治家)が神を信じることは重要」と答えたと報じた。
また、世論調査会社「クエスト」が8月初旬に行った調査でも、有権者の86%が「大統領候補が神を信じることは重要」と回答したことが明らかになっている。
さらに、クエスト社の調査では「大統領候補が自分と同じ宗教であることが必要」との回答が26%にとどまる一方、「候補者は意思決定で宗教指導者の意見を聞くべき」との問いには56%が同意した。
これらの調査結果は、ブラジルが10月4日に大統領選挙を含む総選挙を控えている中で公開された。大統領選は、現職の左派ルラ大統領と右派フラビオ・ボルソナロ上院議員による戦いが国を二分するほどになっている。近年ブラジルで急成長し、今や人口の約3割を占めるまでになった福音派の支持は選挙の行方を左右する重要な要素で、両陣営ともに演説で信仰への言及は欠かせない。
「信仰」が単なる個人の内面の問題を超え、ブラジル政治の中心的な争点となっている現実は、政治と宗教の関係が改めて問われる中、日本にとっても、示唆のある材料と言えそうだ。







