【サンパウロ綾村悟】南米コロンビアで7日、アベラルド・デラエスプリエジャ大統領(48)の就任式が行われた。6月の決選投票で反米左派ペトロ前大統領の側近である左派候補を破り、4年ぶりに親米保守が政権を取り戻した。

デラエスプリエジャ政権の特色はトランプ政権との親和性の高さだ。同氏は7日、大統領就任演説の中で米国が主導する西半球での対カルテル・治安協力の枠組み「米州の盾」への参加を表明し、ペトロ政権下で冷え込んでいた米国との関係修復を印象付た。
また、同氏は「秩序、権威、自由を取り戻す時が来た」と述べ、麻薬組織や武装ゲリラとの和平路線を転換し、軍事力による掃討作戦へと舵(かじ)を切る方針を鮮明にした。
米国務省は8日、これに応じる形で警察・軍の能力強化やコカ栽培根絶、移民対策、エネルギーなどへの投資を含む10億ドル(約1570億円)の支援構想を明らかにした。支援開始には米議会の承認が必要だが、トランプ政権がコロンビアを中南米における対麻薬、治安協力など安全保障政策の中核的なパートナーと見ていることが分かる。
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今回、大統領就任式は、首都ボゴタではなく左翼武装ゲリラや麻薬密売組織の影響が根強い西部の都市カリで行われた。近代憲政史上初の試みで、地方重視と治安への強硬姿勢を印象付る狙いがある。会場周辺には軍・警察約1万1000人が配置され、ドローン対策も講じられるなど、厳重な警備下での式典となった。
デラエスプリエジャ氏は、就任演説で麻薬密売組織や左翼武装ゲリラに対し「法に従うか、国家と治安部隊の断固たる対応に直面するか」の二択しかないと警告。ペトロ前政権が推進した対話路線の打ち切りを宣言した。
さらには、コカ栽培根絶のための除草剤散布や、公共支出の凍結を伴う財政緊縮、石油・ガス開発の再拡大なども表明した一方、国民の支持がある社会保障プログラムは維持する考えも示し、国内分断の解消にも言及した。
一方、就任式を前後して左翼武装ゲリラ「民族解放軍(ELN)」や旧左翼ゲリラの残党による爆弾テロや警察署への攻撃がカリ市近郊などで発生、武装組織による新政権への揺さぶりが続いているのが現状だ。
デラエスプリエジャ政権が、治安回復と経済成長を実際の成果に結び付けられるか、米国との協調も含めて保守化が進む南米政治の行方を占うことになる。







