【サンパウロ綾村悟】サッカー・ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦で、日本代表は29日(日本時間30日)、米南部ヒューストンで優勝5回のブラジルと対戦する。ブラジルのアンチェロッティ監督は28日の記者会見で、日本を「世界で最も優れたチームの一つ」と高く評価した。「われわれにとっては決勝戦だ」と述べ、延長戦やPK戦まで想定して日本に備えていることを明らかにした。

メディア企業グローボ系スポーツ専門局のW杯討論番組「セレソン・コパ」では、司会のアンドレ・リゼッキ氏が「日本戦が楽だった時代は終わった」と指摘した。出演した解説陣は、日本が戦術、技術の両面で成長し、縦への速さに加え、選手が試合状況を理解して柔軟に動く能力を備えたと評価。ブラジルにも過去のW杯ほどの圧倒的な力はないとして、厳しい試合を予想した。
ブラジルの大手ニュースサイトUOLの解説記事は、日本が3―4―2―1を基本に中盤で素早く連係し、わずか数本のパスでゴール前へ進むと指摘した。特定のスター選手に依存せず、速いパス交換や両サイドの動き、セットプレーを組み合わせるとして、「ブラジルが勝って当然」とする空気は落とし穴になり得ると警告した。
アンチェロッティ氏は、負傷から復帰途上のネイマールについてスコットランド戦の15分より長く出場できる状態にあるとしたが、投入は試合展開を見て判断するとした。
試合前には、日本のFW塩貝健人が「ブラジルは昔と同じではない」との趣旨を語ったと現地で報じられた。ブラジルの主将マルキーニョスは「相手側に少しおごりがあるのかもしれない」とし、「話し続けて、われわれを奮い立たせてほしい」と反発した。一方、アンチェロッティ氏は「心理戦には入らない」と述べ、日本の長所への対応に集中する姿勢を示した。
日本代表の久保建英は欠場が決まった。かつて王国に挑む立場だった日本を、ブラジルが戦術面まで分析し、強敵として迎える一戦となる。






