【サンパウロ綾村悟】トランプ米大統領とブラジルのルラ大統領は7日、ワシントンのホワイトハウスで約3時間にわたる会談を行った。会談後の共同記者会見は直前にキャンセルとなり、会談の詳細な内容は伝わっていないが、米側の関心が、ブラジルが持つレアアース(希土類)などの資源の確保とブラジルに歩み寄る中国の牽制(けんせい)にあったことは確かだ。
先月下旬、米鉱物企業USAレアアースが、レアアース採掘を行っているブラジルの資源開発企業セハ・ベルジを約28億ドル(約4370億円)で買収することを発表した。
注目されるのは、その条件だ。採掘した鉱物の供給先を「米国および同盟国に限定し、中国を除外する」という特別条項が契約に盛り込まれた。
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鉄鉱石、大豆、牛肉の世界最大級の輸出国であるブラジルは、レアアースやニオブなど重要鉱物の埋蔵量でも世界有数。中国はすでにブラジルの最大貿易相手国の地位を占め、農業・鉱業の双方に深く食い込んでいる。米企業によるセハ・ベルジ買収は、その関係にくさびを打ち込むものだ。
ルラ氏は、会談後の単独記者会見で「特定の国を優遇することはない」と等距離外交の継続を明言した。両政府は、30日以内に関税交渉の提案をまとめる作業部会の設置で合意したものの、多くの課題が持ち越されたと伝えられている。
ルラ氏としては、10月の大統領選挙を前に、大きな失点もなく訪米を乗り切った格好だ。トランプ氏からキューバへの軍事侵攻を考えていないとの発言を引き出したと主張しており、外交上の成果として国内にアピールする構えだ。米国側もレアアース鉱山の買収で中国を外した資源確保に歩を進めている。





