トップ国際中南米「犬に金をかけすぎ」 大統領の発言が波紋―ブラジル

「犬に金をかけすぎ」 大統領の発言が波紋―ブラジル

 【サンパウロ綾村悟】ブラジルのルラ大統領の「ペットへの支出」を巡る発言が、メディアや有権者の批判を浴びている。

 ルラ氏は26日、ブラジル自動車製造大手「CAOA」の式典に出席、ブラジル国内の深刻な家計債務問題に触れ、「昔は犬に残り物を与えていたが、今は専用のフードを買い、歯医者にまで連れていく。ブラジル人は犬に金をかけすぎだ」と発言。さらに、同席していた中国・長安汽車の朱華栄会長に「中国にはこのような問題はないでしょう」と冗談を飛ばした。

 ブラジルのペット産業は世界3位の年間約780億レアル(約2・3兆円)を売り上げ、330万人以上の雇用を支える巨大な経済市場だ。

 さらに、現代のブラジルでは、動物愛護の観点からペットへの適切なケアは飼い主の責任という価値観が定着している。ルラ氏の発言は時代錯誤であり、国民の生活実感との乖離(かいり)を露呈させた。

 加えて、有権者の神経を逆なでにしたのは、家計債務の原因である「高金利」や「物価高」という構造的問題に触れず、国民の消費習慣に責任を転嫁した点だ。ブラジル商業連盟(CNC)の調査によると、ブラジルの家族の8割以上が何らかの負債を抱えている。

 労働階級の英雄だったルラ氏のパターナリズム(父権的干渉)が、現代の中産階級の反感を買う形となった。ブラジルへの大規模投資を表明している中国経済界の重鎮を迎えて、工業化の成果をアピールするはずだったが、失言により有権者との意識の乖離を見せてしまった。

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »