【サンパウロ綾村悟】ブラジルのルラ大統領は25日、サンパウロ州アララクアラ市内で行われた中国の鉄道車両製造大手・中国中車集団(CRRC)による列車製造工場の開設記念式典に出席し、投資に感謝の意を表した。中国の製造業は近年、電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)などがブラジル国内に現地工場を相次いで建設するなど、進出ラッシュが続いている。
CRRCは、韓国の防衛大手・現代ロテムの車両工場を再利用する形で参入し、早ければ今年度中にも都市間鉄道向け車両の生産を開始する予定だ。44両の納入が予定されており、契約額は31億レアル(約900億円)。
親中派として知られるルラ大統領は、昨年5月の訪中で習近平国家主席と会談し、中国企業による総額270億㌦ものブラジルへの投資を発表した。現在、電力・港湾・鉄道・デジタルインフラなど幅広い分野で中国資本の流入が続いている。
中国にとっても、工場建設と現地生産は、過剰な輸出で他国の国内産業や雇用に深刻な打撃を与えていないと訴えることにつながる。
一方、保守系シンクタンクからは、「ブラジルは投資を歓迎する前に、どの国が自国のインフラを握るのかを真剣に議論すべきだ」との主張もある。鉄道・電力・通信と、インフラの中枢に中国企業が関与を深めることには、歓迎と同時に懸念の声も上がっている。






