トップ国際中南米TikTok、16歳未満「非公開」-ブラジル 未成年保護へ新たな試み

TikTok、16歳未満「非公開」-ブラジル 未成年保護へ新たな試み

 【サンパウロ綾村悟】短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」は17日、ブラジル国内でサービスを利用する16歳未満の全ユーザーのアカウントを、初期設定で非公開(プライベート)化する措置を実施した。

 ユーザー本人が承認した利用者以外は投稿を閲覧できなくなるほか、他者へのおすすめ表示も制限される。同日の「デジタル版児童・青少年法(ECAデジタル)」施行を受けた措置で、メタなど他のSNS大手も同法に準じた保護機能の導入を検討するという。

 ECAデジタルは、ブラジルが1990年に制定した「児童・青少年法(ECA)」をインターネット空間に拡張した法律で、単なる年齢制限にとどまらず、アプリの設計そのものへの規制が特徴だ。

 コンテンツが際限なく表示される「無限スクロール」や動画の「自動再生」など、依存性を高める機能を16歳未満向けに禁止する。また、未成年のアカウントと保護者アカウントの連携を義務付け、利用時間の上限設定や深夜帯の使用制限をプラットフォーム側に求めている。違反企業には高額の罰金やサービス停止命令が科される可能性もある。

 立法化の背景には、SNS上での未成年者の性的搾取という深刻な社会問題がある。2025年、ブラジルの著名インフルエンサーが児童の性的商品化の実態を告発する動画を公開、3800万回超の再生を記録して社会現象となった。

 動画公開後、子供の性被害通報件数が倍増、この一件が立法化への大きなきっかけとなったとされる。

 日本の状況も深刻だ。警察庁によると、25年に子供への性犯罪の摘発件数は4858件と過去10年で最多を更新、SNS起因の被害では小学生が167人と過去最多に上った。

 一方、日本にはSNSのアルゴリズム設計にまで介入する法律は存在せず、総務省の有識者会議が検討を始めた段階にとどまる。

 オーストラリアが16歳未満のSNS利用を原則禁止するなど、未成年保護の動きが加速している。ブラジルのECAデジタルは、「アプリのアルゴリズムを規制する」新たな枠組みを打ち出した点で、オンライン空間における未成年保護のモデルとして注目されている。

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