トップ国際中南米チリ版「トランプの壁」の建設開始 新政権が不法移民阻止

チリ版「トランプの壁」の建設開始 新政権が不法移民阻止

 【サンパウロ綾村悟】南米チリのカスト大統領は16日、北部ペルー国境の砂漠地帯チャカラウタで、不法移民流入を阻止する「移民防波壁(国境の壁)」の建設を開始したと発表した。11日に就任したばかりのカスト氏だが、選挙公約として掲げていた移民対策に乗り出した。トランプ米大統領のメキシコ国境の壁を彷彿(ほうふつ)させる「チリ版トランプの壁」の着工は、右派カスト政権の強硬な移民政策を内外に印象付けている。

 計画では、ペルーおよびボリビア国境沿いの約500㌔にわたり、高さ5㍍の壁と深さ3㍍の溝を組み合わせる。カスト氏は16日に現地で作業を視察、90日以内に最初の30㌔を完成させると言明した。今後、国境付近には国軍兵士3000人が配置されるほか、ドローンによる24時間態勢の監視網も導入される予定だ。

 壁建設の背景には、ベネズエラを中心とした不法移民の急増と国境を越えた犯罪組織の流入、それに伴う治安の悪化がある。人口2000万人のチリにおいて、国内のベネズエラ人は約100万人に達し、うち3分の1以上が不法滞在とされる。特に国境沿いの北部2州の殺人率は人口10万人当たり9・9人と全国最悪の水準で、組織犯罪も急増している。

 移民対策と治安回復は昨年末の大統領選で最大の争点となり、移民追放という過激な公約を掲げたカスト氏が58%の得票を得て勝利した。

 一方、隣国との緊張は避けられない情勢だ。ボリビアのパス大統領は「過去への逆行」と強く批判、カスト氏の排外主義的な政策が周辺国との外交摩擦を招く懸念も浮上している。

 ただ、最新の世論調査ではカスト政権の支持率は57%に上り、壁建設には8割以上が賛成している。

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »