【サンパウロ綾村悟】南米最大の物流拠点、ブラジル・サントス港の巨大コンテナ・ターミナル「Tecon 10」の運営権入札を巡り、米領事による中国企業への牽制(けんせい)が明らかになった。有力紙「フォーリャ・デ・サンパウロ」が16日付で報じた。
フォーリャ紙によると、ケビン・ムラカミ駐サンパウロ総領事が5日、サントス市内での同港湾関係者向けの会合で、「戦略的インフラ」への中国勢入札を牽制していた。報道を受け、米総領事館も16日、主権や安全保障の観点から、深刻な懸念として認めた。懸念の対象となったのは、中国政府直轄企業の「中国遠洋海運集団」。運営権を落札すれば、投資額約64億レアル(約1920億円)のターミナルの建設も担うことになっていた。
中国は「一帯一路」構想の一環として、世界各地の港湾の運営権に参入しており、近年ではペルー最大のチャンカイ湾に大規模な港湾施設を建設したばかり。米政府は、サントス港のターミナルの建設と運営に、中国政府系企業が携わることで、中南米の物流が中国依存に陥ることを強く警戒している。サントス港は、対米・対欧州の麻薬密輸や組織犯罪対策の最前線でもあり、安全保障上の観点からも懸念を表明しているものとみられる。






