【サンパウロ綾村悟】ブラジル最高裁のモラエス判事は12日、米国務省上級顧問ダレン・ビーティー氏によるボルソナロ前大統領への面会申請を却下した。当初は許可していたが、ブラジル外務省が懸念を示したことから判断を覆した。国内保守派は「政治的理由による不当な措置」と反発を強めている。
ボルソナロ氏は2023年のクーデター未遂などの罪で禁錮27年3月の判決を受け、首都ブラジリアの刑務所に収監されている。
トランプ政権のブラジル政策を担当するビーティー氏は、3月16日から19日の日程で同国を訪問。滞在中、レアアース(希土類)資源に関する協議や、10月の大統領選への出馬を模索するボルソナロ氏の長男、フラビオ上院議員との会談を予定している。
モラエス氏は10日にボルソナロ氏との面会を一度許可していたが、ブラジル外務省は、ビーティー氏の公式日程に面会が含まれていないことを指摘。「服役中の政治家への面会は内政干渉の可能性がある」と難色を示していた。
今回の決定について国内では賛否が分かれており、保守系メディアが「司法の暴走」と批判する一方、リベラル系メディアは「主権を守るための妥当な判断」と評価している。
一方、大統領選でルラ大統領に対抗する構えのフラビオ氏は、今回の判断を「保守派とトランプ政権の連携を分断しようとする陰謀」「司法による不当干渉」と痛烈に批判している。
服役中のボルソナロ氏はトランプ大統領と家族ぐるみで親交があり、トランプ政権当局者との面会拒絶は、米ブラジル間の外交的な軋轢(あつれき)を生む可能性も指摘されている。






