【サンパウロ綾村悟】ペルー議会は18日、中国人実業家との密会疑惑などを受けて前日に罷免されたヘリ暫定大統領の後任として、ホセ・マリア・バルカサル国会議員(83)を選出した。バルカサル氏は即日就任した。同国では過去10年で8人の大統領が罷免などで入れ替わる異常事態が続いており、国民の政治不信は頂点に達している。
罷免されたヘリ氏は、ボルアルテ前大統領が汚職疑惑で失脚したことを受け、昨年10月に政権を引き継いだばかりだった。しかし、議会は就任からわずか4カ月で、ヘリ氏に対して「道徳的不適格」を理由に不信任案を可決した。
新暫定大統領に選出された元判事のバルカサル氏は、就任演説で「崩壊した国家機関への信頼回復と、目前に迫った選挙の公正な管理に全力を尽くす」と強調した。ペルーは政局の混乱以外にも凶悪犯罪の増加や社会格差の拡大など多くの課題を抱えており、当面は公正かつ安全な大統領選挙の実現が優先される。
4月11日に投開票が予定されている大統領選には、30人近い候補者が乱立する異例の展開となっている。相次ぐ政変と根深い汚職構造を受けて国民の政治家に対する信頼は低迷、各候補とも支持率は1ケタから10%台前半に留まっている。
こうした中、保守層の支持を背景に、フジモリ元大統領の長女ケイコ・フジモリ氏(45)が支持率で2位につけている。ケイコ氏は「強い法執行と秩序の回復」を掲げ、リマなど都市部の保守層を中心に一定の支持を固めているが、反フジモリ派の抵抗も根強く、選挙戦の行方は依然として不透明だ。






