トップ国際中南米ルラ大統領テーマのパレードが物議―ブラジルのカーニバル 大統領選への「事前運動」か

ルラ大統領テーマのパレードが物議―ブラジルのカーニバル 大統領選への「事前運動」か

 【サンパウロ綾村悟】ブラジル・リオデジャネイロのサンバ特設会場「サンバドロモ」で15日、カーニバルのメインパレードが開催され、新興チーム「アカデミコス・デ・ニテロイ」がルラ大統領の半生をテーマにパレードを披露した。カーニバルで現職大統領をテーマにするのは極めて稀。しかも10月にルラ氏が再選を狙う大統領選を控え、野党側は「選挙の事前運動に当たる」などと法的措置を示唆している。
 3100人の踊り手らは、ルラ氏の貧しい幼少期から労働組合活動、大統領就任までの軌跡を山車や劇で表現した。特別席で見守っていたルラ大統領は、感情を高ぶらせる場面も見せた。ルラ陣営の選挙用フレーズのアレンジ曲を演奏、労働党(PT)のイメージカラーを強く連想させる衣装も使われた。また、政治的ライバル、右派ボルソナロ前大統領を揶揄(やゆ)する内容も含まれた。

 保守系の「エスタダォン」紙は、パレードが実質的に「選挙の事前運動」と指摘。公金(政府補助金)使途を含め、野党側がパレード中止を求めた提訴の経緯を詳報した。保守系雑誌「OESTE」も「北朝鮮のような個人崇拝」「民主主義への攻撃」などと厳しく批判している。一方、リベラル系の「フォリャ・デ・サンパウロ」紙などは、表現の自由や選挙法に関し、専門家の見解を両論併記で報じた。

 野党は今後、「権力乱用」を理由に選挙裁判所(TSE)に提訴する構え。TSEはパレード中止要求については「表現の自由」を理由に却下したが、パレード後の精査は否定していない。「カーニバルが終われば、次は裁判所でドラマが始まる」との市民の共通認識の下、TSEの判断がブラジル大統領選の行方を左右し得る情勢だ。

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