トップ国際中南米コロンビアにトランプ流「関税外交」 治安対策強化を求める―エクアドル

コロンビアにトランプ流「関税外交」 治安対策強化を求める―エクアドル

 【サンパウロ綾村悟】南米エクアドルのノボア大統領は21日、隣国コロンビアからの輸入品に対し、一律30%の追加関税を課すと発表した。今回の措置は「安全保障上の必要性」に基づく異例の対抗措置と位置付けられ、2月1日から実施される。麻薬密売や違法採掘の温床となっている国境地帯において、コロンビア側が実効性のある治安対策を講じるまで無期限で継続する方針だ。
 ノボア氏はⅩ(旧ツイッター)で、「わが国は治安回復のため断固たる行動を取っているが、国境の反対側から十分な協力が得られていない」と厳しく非難した。犯罪組織による凶悪犯罪が急増する中、エクアドル政府は国軍を投入して掃討作戦を進めているが、コロンビア側の「不作為」が、麻薬や武器の流入を許し、治安悪化を招いているとの判断がある。

 また、ノボア氏は年間10億㌦を超える対コロンビア貿易赤字にも言及。今回の措置には、自国産業の保護と経済的不均衡を是正する狙いもある。

 こうした強硬姿勢は、麻薬・不法移民対策で妥協を排する米トランプ政権の対中南米政策と方向性が重なる。トランプ政権は、ペトロ政権下のコロンビアでコカ栽培が拡大している現状を地域全体の不安定化要因として強く懸念し、コロンビアへの制裁関税を示唆するなど圧力を強めてきた。

 ノボア氏の動きは、左派政権への包囲網を米国と共に強化する。

 親米右派のノボア政権と、武装ゲリラへの融和姿勢が批判される左派ペトロ政権。エクアドルによる追加関税に対してペトロ大統領も報復を示唆しており、両国の外交的、政治的な衝突は今回の関税措置で避けられないものとなった。

 組織犯罪への対応を巡り、トランプ流の「関税外交」という実力行使で隣国に具体的行動を迫るエクアドルの動きは、多国間交渉に代わる中南米の外交の在り方を問うことにもなりそうだ。

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