
【サンパウロ綾村悟】中米ホンジュラスの国家選挙管理委員会は24日、11月30日に行われた大統領選挙の最終結果を公表し、右派野党・国民党のナスリ・アスフラ前テグシガルパ市長(67)が当選したと正式に発表した。トランプ米大統領が支持するアスフラ氏は台湾との外交関係復活を支持する親台派で、中南米諸国で進む「対中国傾斜」に歯止めがかかった。
選管の発表によると、アスフラ氏の得票率は40.27%。次点の中道サルバドル・ナスナラ候補は39.53%、現職の左派カストロ大統領の後継として与党・自由再建党から出馬したリクシ・モンカダ候補は19%に留まった。
開票作業は3週間にわたって停滞し、一部の野党候補から不正選挙との主張も出たが、最終的にはアスフラ氏が僅差で勝利を確定させた。同氏の勝利は、南米チリ大統領選での右派候補の勝利に続き、ラテンアメリカ全域で左派政権が退潮する「保守の波」を裏付けるものとなった。
アスフラ氏の勝因は、首都テグシガルパ市長を2期務めた実績にある。ジーンズ姿で現場を歩き回り、市民の要望に即座に対応した。インフラ整備や雇用創出といった具体的成果を重視する姿勢が、現カストロ政権下で経済低迷に苦しむ有権者の支持を集めた。
当選結果を受け、アスフラ氏は「国民を失望させない」と勝利宣言した。経済と治安の回復を最優先課題に掲げている。
外交面では、現政権が進めた「親中路線」からの脱却が焦点となる。アスフラ氏は選挙戦を通じて2023年に断絶した台湾との外交関係の再開を検討する意向を示してきた。
米国との関係も変化が予測される。トランプ氏は選挙直前、異例の形でアスフラ氏への支持を表明。「不法移民対策や麻薬掃討で重要なパートナーだ」と称賛し、同氏が敗北した場合には援助を打ち切る可能性まで示唆していた。
マルコ・ルビオ米国務長官も24日、新政権との協力に期待を示した。アルゼンチンのミレイ大統領ら中南米の保守派首脳は、アスフラ氏の勝利を「自由の勝利」として歓迎している。






