【サンパウロ綾村悟】パラグアイ政府は15日、米政府と軍事分野の地位協定(SOFA)を締結した。パラグアイ国内での米軍活動と法的地位が明確化され、今後の南米の安全保障環境に一定の影響を与える可能性がある。
協定はパラグアイのラミレス外相とマルコ・ルビオ米国務長官が署名、犯罪組織など、両国が共通して直面する安全保障上の脅威に共同して対処する方針を打ち出した。米軍および関連要員のパラグアイ内での活動に法的根拠が与えられ、具体的には共同訓練や情報共有、人道支援や災害対応での連携が想定されている。安保協力の制度化で、両国間の軍事関係を透明化し、即応性が高まるとされる。
ルビオ氏は署名に際し、パラグアイを「米国にとって最も強力な同盟国の一つ」と表現、協定は高度に組織化された地域の犯罪網への対処に重要な枠組みになると説明した。パラグアイ外務省は、協定が国内の治安向上に寄与し、同国の国際的な信用の向上につながるとの見方を示した。
一方、南米メディアからは慎重論も出ている。ブラジルの安全保障系メディアは、域内の米軍活動への法的枠組みが、近隣国の外交・安保政策に影響を及ぼす可能性を指摘している。
中国の広域経済・インフラ戦略「一帯一路」構想に、域内21カ国が参加を表明するなど、南米で中国が影響力を増している地政学的な側面からも協定は注目されている。パラグアイは南米で唯一、台湾と外交関係を維持する親米保守国。米国が安保面での関与を明確にした今回の地位協定は、同国の外交姿勢を後押しすると同時に、南米全体の安保環境に一定の変化をもたらす。






