【サンパウロ綾村悟】南米チリで14日、ボリッチ大統領の任期満了に伴う大統領選の決選投票が実施され、即日開票の結果、右派野党チリ共和党のホセアントニオ・カスト元下院議員(59)が当選した。1990年の民主化以降、最も保守色の強い政権が誕生することになる。就任は来年3月11日。任期は4年で、連続再選は禁止されている。
チリ選挙管理当局の発表によると、開票率99%時点で、カスト氏の得票率は58・17%に達し、左派連合の候補で前労働・社会保障相のジャネット・ハラ氏(51)は41・83%にとどまった。
ハラ氏は、ボリッチ政権下で社会保障制度の拡充など一定の成果を挙げたが、経済成長の鈍化や治安悪化への不満、共産党出身であることへの警戒感が、支持の広がりを妨げたとみられる。
カスト氏は勝利確定後、「これはチリの新たな夜明けだ。法と秩序を取り戻し、家族と祖国の価値を守る」と述べ、支持者を前に結束を呼び掛けた。
チリの有力紙「エル・メルクリオ」は、「歴史的な右派の勝利」と報じる一方で、新政権が直面する治安対策や経済再生の課題の大きさを指摘した。アルゼンチンのミレイ大統領は、カスト氏の当選を「自由主義の勝利」と評価し、祝意を表明した。
一方、ブラジルなどでは、リベラル系メディアを中心に、強硬な治安政策や移民政策を掲げるカスト政権の行方を懸念する論調もみられる。






