【サンパウロ綾村悟】キューバ最高人民法院(最高裁に相当)は8日、アレハンドロ・ヒル・フェルナンデス元経済企画相(61)に対し、スパイ活動の罪で終身刑を言い渡した。非公開審理での判決で、10日以内の上訴権が認められている。キューバの国営メディアが報じた。
最高人民法院によると、フェルナンデス被告は外国企業から金銭を受け取り、他の公務員に賄賂を渡して不正取得資産の合法化を図ったほか、国家機密を「敵対勢力」に提供したなどと認定された。別件の汚職裁判では賄賂や公文書偽造、脱税などの罪で懲役20年が言い渡され、終身刑と併せて執行される。
被告は2018年から24年まで経済企画相を務め、19年から副首相を兼任した。ミゲル・ディアス=カネル大統領の最側近として、21年の通貨統一や金融制度改革を主導した。しかし通貨統一後、インフレや失業増を招き、生活必需品も不足、被告は24年2月、「業績不振」を理由に更迭された。
判決の中で裁判所は、「被告が権力の乱用と腐敗行為により、国と人民に重大な損害を与えた」と指摘した。一方、スペイン語系の反体制派メディアは「判決は、経済政策の失敗の責任を、被告に押し付ける政治的動機によるもの」と伝えている。
キューバでは、09年にもラゲ元副大統領を含む複数の高官が国家機密情報の漏洩(ろうえい)疑惑などで解任された。その後も汚職を理由とした高官の更迭が続いている。






