トップ国際中南米海底油田開発に矛盾問う声―ブラジル 環境団体・先住民族が批判

海底油田開発に矛盾問う声―ブラジル 環境団体・先住民族が批判

 【サンパウロ綾村悟】ブラジル政府が国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)の議長国としてアマゾン熱帯雨林の保護を掲げる一方で、アマゾン川河口近海での石油・ガス探査を承認したことに国内外の環境団体や先住民族などから「ルラ政権の矛盾」(フォーリャ・デ・サンパウロ紙)と批判が高まっている。

 アマゾン川河口には、これまでの調査でブラジル有数の海底油田の存在が確認されており、開発に成功すれば、ブラジルを世界有数の産油国に押し上げる可能性がある。ただし、アマパ州沖合には、「海洋生物学の奇跡」とも言われるサンゴ礁「アマゾン礁」があり、環境破壊を恐れた環境・再生可能天然資源院(IBAMA)や環境保護団体が試掘に反対してきた。

 シルバ環境・気候変動担当相も海底油田の開発に強く反対してきたが、開発・試掘を求める政治圧力が強く、今年5月に開発に向けた計画案を承認した。

 一方、環境保護団体は、地域住民や先住民族への十分な事前協議が行われていないとして法的措置を進めており、10月に実施された世論調査でも、ブラジル国民の60%以上がこの海域での石油開発に反対している。特に若年層(16~24歳)では、反対が73%にも達しているという。

 政府側は、石油開発による収入を再生可能エネルギーや社会開発に振り向ける資金源と位置づけて理解を求めているが、ルラ大統領がCOP30開幕に向けて掲げた「化石燃料依存からの克服」というメッセージ、さらには環境外交での存在感を狙うブラジルの立ち位置を問う声も国内から上がっている。

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