【サンパウロ綾村悟】米政府関係者は11日、米海軍の最新鋭空母「ジェラルド・R・フォード」がカリブ海域に到着したと明らかにした。反米左派マドゥロ大統領率いるベネズエラ政府は、これを「主権への挑戦」「侵略への準備」と批判、国内の軍と治安部隊、また民兵組織を含め、即応体制に入った。両国間の軍事的緊張が高まっている。
ベネズエラ北部につながる海域に派遣された米空母打撃群は、イージス巡洋艦や原子力潜水艦、ステルス戦闘機、無人偵察機など複数の戦力を保有。米国側はこの展開を「麻薬密輸や国際犯罪組織(TCO)の探知・監視・制圧の能力強化のため」と説明している。これを受け、ベネズエラのロペス国防相は、「陸・海・空・河川・ミサイル部隊を含む国家総動員態勢を敷く」と表明した。
米国は今年8月以降、複数の海軍艦艇や海兵隊を同海域に展開、「麻薬対策」として麻薬密輸船と見なした船舶(米軍発表)に19回以上攻撃し、75人以上が死亡した。ベネズエラや南米各国は、「(政権転覆を狙った)宣言なき戦争」「地域の安定を損なう」などと批判している。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)も、米軍による公海上での攻撃を「受け入れ難い」と批判、国連安全保障理事会も「米軍作戦が地域の平和と安全保障のリスクを高めている」と警告している。
ただし、マドゥロ政権の強権政治や、反政府派を政治犯として迫害・追放してきたことを中南米諸国は見逃してきており、これを人権団体が批判している。
現時点で米国は、ベネズエラ本土への侵攻や空爆の計画を公式には否定しているが、専門家らは軍事衝突に発展する可能性を指摘しており、周辺諸国が情勢の推移を注視している。





