【サンパウロ綾村悟】10日、ブラジル北東部の都市ベレンで開幕、21日までの日程で行われる国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は、アマゾン熱帯雨林地帯で開催される初めてのケース。気候変動対策の核心に直接的に結び付く深い象徴性、また実践的な意義が込められる。
開幕に先立つ首脳級会合(6、7両日)では、ブラジルのルラ大統領が提唱する熱帯林永久基金(TFFF)の発足が参加53カ国の合意で決まった。先進諸国や企業から基金を募り、森林保護に向け、一定条件を達成した途上国に資金を拠出する。ルラ氏は従来、「アマゾンを守ることは地球を守ることだ」と発言しており、COP30は同国が環境外交で世界の表舞台に立つチャンス。
アマゾン熱帯雨林は地球上で最大の熱帯林で、グローバルな炭素の吸収源として機能し、気候変動の抑制に不可欠と位置付けられる。参加者には、森林を現場で臨場感をもって体感させ、国際的な責任感を喚起することが期待される。森林保護が具体論として質的に転換することも同様だ。TFFFが今後、こうしたCOPの意義に応えていくことができるか、注目される。
今年のCOPには190カ国以上が参加する中、米国(政府)が不在、ブラジルや中国などグローバルサウスの影響力が拡大、という主導勢力の変化が見られる。「気候変動対策の国際枠組み」パリ協定の最大資金拠出国でもある米国の不在は、資金・技術面で大きな課題を突き付ける。
グローバルサウスの一角として影響力を増す中国は、世界最大の温室効果ガス排出国だが、国際交渉では「途上国」としての立場を維持し、厳しい削減義務を回避している。一方で、再生可能エネルギー分野での存在感を高め、太陽光パネルの輸出、また電気自動車(EV)の生産数で世界有数だ。近年は、アマゾン地域やその周辺国への投資も拡大している。
パリ協定が掲げる、21世紀末までに地球の気温上昇を1.5度内に抑える目標には、温暖化ガスの抑制と森林の保護・再生などが「迅速かつ大規模に行われること」(グテーレス国連事務総長)が不可欠。米不在の中で「持続可能な発展モデル」を議長国ブラジルを中心にどうまとめるか、予断を許さない。





