トップ国際中南米過去最高水準の貿易黒字 「中国特需」に警鐘も-ブラジル

過去最高水準の貿易黒字 「中国特需」に警鐘も-ブラジル

 【サンパウロ綾村悟】ブラジル開発・産業・対外貿易省(MDIC)は6日、10月の貿易統計を発表、月次黒字が前年比70・2%増の69億6000万㌦(約1兆700億円)と過去最高水準を記録したことを明らかにした。輸出総額は、前年同期比で9・1%増の319億8000万㌦、特に中国向け輸出の伸びが寄与した。ただし、国内の経済学者からは「中国特需」の危うさを指摘する声も上がっている。
 貿易黒字の最大の牽引(けんいん)役は中国向け輸出だ。33・4%増で、輸出総額のうち92億1000万㌦を占める。大豆、原油、鉄鉱石が中国向け輸出の77%を占め、中国との単独黒字は27億7000万㌦にも達した。

 一方、中国に次ぐ貿易相手国でもある米国向け輸出は、トランプ米政権による最高50%の報復関税で37・9%減、17億6000万㌦の赤字に転落した。

 ただし、堅調な輸出の多く(特に増加分)が中国向けの一次産品に頼っていることを問題視する専門家もいる。ブラジル地理統計院(IBGE)元首席エコノミスト、ロベルト・トロッホ氏は「典型的な(天然資源の輸出により国内製造業が衰退する)オランダ病の再発だ」と指摘する。

 資源輸出ブームは、通貨レアルの上昇を招き製造業の競争力を奪おうとしている。中国からの安価な資本財・消費財輸入が国内・地場産業の空洞化を加速させており、製造業界からは「このままでは安価な中国製品に駆逐され、製造業が弱体化する」と懸念の声も上がっている。

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