【サンパウロ綾村悟】ブラジルのボルソナロ前大統領(70)の弁護団は27日、クーデター計画などへの関与を問われて前大統領が、懲役27年超の有罪判決を受けたことに対し、異議申し立てを行った。
弁護側は、85ページに及ぶ上訴書の中で「証拠不足」「刑期算定の不透明さ」などを主張、ボルソナロ氏がクーデター計画に署名または、指示したことは一切なかったことが判決で考慮されていないとし、特に刑期の再考(短縮)などを強く求めている。
弁護団の一人は、判決文ではボルソナロ氏に「過剰な責任」を負わせており、だがその「具体的な証拠に触れていない」と訴えている。最高裁が9月にボルソナロ氏に下した有罪判決は、状況証拠に多くを依存している。専門家や一部の最高裁判事からも「間接的証拠に頼り過ぎている」との指摘がある。
現在、ボルソナロ氏は電子足かせ(位置情報特定、逃亡防止目的)付きで自宅軟禁中。弁護側が提出した上訴書に対する判断を含め、12月までに審理が終了、判決が確定する見通し。現状、逆転無罪は困難とみられており、弁護側は年齢や健康上の理由による「自宅収監」を求めると想定される。





