トップ国際中南米保守派が圧勝―アルゼンチン中間選挙 南米の保守化鮮明に

保守派が圧勝―アルゼンチン中間選挙 南米の保守化鮮明に

 【サンパウロ綾村悟】アルゼンチンで26日、議会の中間選挙が実施され、「アルゼンチンのトランプ」と言われるミレイ大統領が率いる「自由の前進(LLA)」が改選議席の過半数にあたる64議席を制して圧勝した。

 ミレイ氏は、「これは善と悪の戦いの勝利だ、アルゼンチンの歴史が変わる」と勝利を宣言、さらに、通貨スワップを含む200億ドル相当の広範な支援策を発表してミレイ政権を支援したトランプ米大統領に感謝の意を表した。

 トランプ氏は、「ミレイ大統領が(中間選挙で)勝たなければ支援を止める」などと発言、国内外に波紋を広げていたが、結果は与党の圧勝につながった。

 中間選挙で改選の対象となったのは、下院127議席(全257議席)と上院24議席(全72議席)。選管によると、92%の開票率で与党が従来の37議席から64議席と躍進、非改選の議席と合わせると90議席に達した。左派・正義党を中心とした野党連合の獲得議席は31に留まった。

 与党側が全議席の3分の1を超える議席を獲得したことで、今後は野党側が提出する法案に対する拒否権を行使することが可能になるなど、ミレイ氏が進める財政改革などの政策が進むことが期待される。

 アルゼンチン・カトリック大学(UCA)の政治学者ロベルト・ノラスコ氏は、今回の選挙を「予想外の結果、経済危機再来の恐怖が有権者を結束させたのだろう」と分析した。

 長年続いた左派政権は、ポピュリズムと福祉拡大などで支持を広げたが、結果としてハイパーインフレと財政破綻を招き、南米の経済大国を債務不履行の常習国へと転落させていた。

  ミレイ氏は、トレードマークの「チェーンソー」を片手に「財政規律の徹底」を掲げて23年の大統領選挙で当選、インフレの抑制と財政黒字を実現した。貧困率も低下しつつあるが、再選をかけた27年大統領選挙に向けて、国民が実感できる形での経済成長の実現と失業率の改善が課題だ。

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