【サンパウロ綾村悟】南米ボリビアで19日、大統領選挙の決選投票が行われる。争うのは、右派のホルヘ・キロガ元大統領(65、国家民主行動党=ADN)と中道のロドリゴ・パス上院議員(58、キリスト教民主党=PDC)だ。
キロガ氏は2001年から02年にかけて大統領を務めた経験を持ち、市場経済主義や財政改革を強調。一方のパス氏は穏健な経済政策や汚職撲滅を主張している。両候補ともに、反米左派のモラレス元大統領、アルセ大統領が率いてきた左派・社会主義運動党(MAS)からの転換を約束し、保守層や中間層の支持を集めている。
また、両候補ともに米国との関係強化、ベネズエラやキューバなど反米左派政権と距離を置くことを政策に掲げている。
最新の世論調査では、キロガ氏が支持率45%で42%のパス氏を僅差でリードしている。
ボリビアでは、06年以来の反米左派政権下で経済危機が深刻化した。燃料不足や通貨危機などが経済を圧迫し、インフレ率も高い。今回の選挙では、MAS内での内紛で支持基盤が崩壊、8月17日に行われた第1回投票で左派系候補は3位に終わった。
中国とボリビアの関係も今回の選挙で変わりそうだ。現左派政権は中国企業と20億㌦超のリチウム契約を結んだが、キロガ氏は中国企業との契約破棄と資源民営化を主張し、米国からの投資誘致による中国依存脱却を訴える。パス氏もリチウム資源の公正な活用を約束している。
ボリビアは次世代エネルギー活用に欠かせないリチウムの世界最大級の埋蔵量を有する。06年から続いてきた反米左派政権の終焉(しゅうえん)と保守・中道政権の誕生が南米の政治潮流に大きな変化をもたらす可能性が高い。






