トップ国際中南米ボルアルテ大統領を解任-ペルー議会 後任に国会議長

ボルアルテ大統領を解任-ペルー議会 後任に国会議長

 【サンパウロ綾村悟】南米ペルー議会は9日、ボルアルテ大統領に対する弾劾決議を賛成124、反対0で可決し、同氏を解任した。国会議長のホセ・ヘリ氏が暫定大統領に就任した。ボルアルテ氏は弾劾審議への出席要請を拒否しており、解任後も声明などを出していない。

 弾劾の理由は「倫理的資質の欠如」。ボルアルテ氏に対しては、検察当局が在任中に民間企業との不透明な資金のやりとりに関与した疑いで捜査を進めていた。

 また、物価高騰や公共サービスの停滞などで国民の不満が高まり、直近の支持率は20%を下回るほどに悪化していた。

 ボルアルテ氏は、2022年末に前任のカスティジョ大統領がクーデター未遂で失脚した後、副大統領から昇格していた。しかし、議会との対立だけでなく、治安や教育政策への対応も鈍く、野党から追及を受けていた。

 新たに就任したヘリ大統領は、「政治の安定と民主主義の回復を最優先する」と言明、大統領選挙を含む早期の総選挙実施を国民に向けて約束した。

 ペルーでは、過去7年間に6人の大統領が退任または解任されており、政情不安が社会に与える影響が懸念されている。

 ペルーの国会は一院制(定数130人)、弾劾決議で国会議員の3分の2が賛成票を投じれば、大統領を解任することができる。

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