トップ国際中南米「熱帯雨林保存へ基金を」―ブラジルが国連で提起

「熱帯雨林保存へ基金を」―ブラジルが国連で提起

 【サンパウロ綾村悟】ブラジルのルラ大統領は23日、ニューヨークで開催されている国連総会において、熱帯雨林の保存を目的とする多国間基金「熱帯雨林永続基金(TFFF)」の設立に向け、最初の投資国として、10億ドル(約1500億円)を拠出すると表明した。

 この基金はブラジルが2023年、COP28(国連気候変動枠組み条約締約国会議)で初めて提唱したもの。熱帯雨林を擁する国々が、自国で上げた森林保全の成果に応じて、さらなる保全のための年次支払いを受けられる仕組み。当初、2500億㌦(約37兆1000億円)規模の基金を目指しており、ノルウェーや英国なども関心を示している。

 ブラジル国内では、「気候変動への対応で、主導を試みる決断」との評価がある一方、環境問題に詳しいメディアからは、「先住民コミュニティの役割や生態系の本来の価値を理解させる制度設計と、資金調達に向けた議論が重要」と慎重さを求める声も出ている。

 ブラジルは11月、同国ベレンで開催される第30回COPで議長国を務める。

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